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	<title>保育園 | 社会の底辺からこんにちは</title>
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	<title>保育園 | 社会の底辺からこんにちは</title>
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		<title>教え子からの手紙</title>
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		<dc:creator><![CDATA[オリエンタル納言]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 18 Aug 2023 10:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[保育士時代の体験談・過去のトラウマ]]></category>
		<category><![CDATA[保育園]]></category>
		<category><![CDATA[保育士]]></category>
		<category><![CDATA[幼稚園]]></category>
		<category><![CDATA[思い出]]></category>
		<category><![CDATA[手紙]]></category>
		<category><![CDATA[教え子]]></category>
		<category><![CDATA[過去を振り返る]]></category>
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					<description><![CDATA[20歳の時、幼稚園に就職をしました。 希望と不安を胸に抱いて、新しい生活に期待をして、子どもたちと過ごせる毎日を夢に見た春。 外は桜が舞い散り、今まさに社会人になろうとしているワタシの背中を押してくれているようでした。  [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>20歳の時、幼稚園に就職をしました。</p>
<p>希望と不安を胸に抱いて、新しい生活に期待をして、子どもたちと過ごせる毎日を夢に見た春。</p>
<p>外は桜が舞い散り、今まさに社会人になろうとしているワタシの背中を押してくれているようでした。</p>
<p>沢山イメトレはしていたんです。</p>
<p>子どもたちと一緒に走る園庭も、会話に花を咲かせて一緒に成長する日々も。</p>
<p>この日、ワタシは保育士になりました。</p>
<h4><span id="toc1">憧れの先生に</span></h4>
<p>まだ4歳だった頃、当時担任だった先生は、怖い時もあったけれど大きな愛で包み込んでくれるような人でした。</p>
<p>何か悪いことをすると<span style="color: #ff6600"><strong>「あぁ〜！」</strong></span>と言って怖い顔をしてくるんです。</p>
<p>でも最後には、胸に手を当てて魔法の言葉をかけてくる人でした。</p>
<p><span style="color: #ff6600"><strong>「先生はね、納言ちゃんが大好きだから、こうやってお話をするんだよ」</strong></span>その言葉にまんまと虜にさせられたのが、4歳のワタシです。</p>
<p>いつも先生の後ろをくっついて、先生のことが大好きでたまりませんでした。</p>
<p>ニカっと笑う先生の顔は、当時のままで止まっています。</p>
<p>単純なワタシは、ずっと先生と一緒にいたいと思うようになり、<span style="color: #ff00ff"><strong>「いつかせんせいになって、ずっといっしょにいたいんだ」</strong></span>と話すようになりました。</p>
<p>すると、<span style="color: #ff6600"><strong>「納言ちゃんも保育士になるんだね。先生、すごく楽しみだな」</strong></span>と手を繋ぎながら応援してくれたのです。</p>
<p>その言葉が嬉しくて、優しくて、大きくなったら保育士になりたいという夢ができました。</p>
<p>それから保育士になるために、子どもながらに小さい子のお世話をして、弟の面倒もよく見ていました。</p>
<p>物心ついた時から、自分よりも小さな存在を大切にすることを意識するようになっていったのです。</p>
<h4><span id="toc2">夢はいつまでも変わらずに</span></h4>
<p>保育園を卒園してからも、保育士になりたいという夢が変わることはありませんでした。</p>
<p>自由研究には、保育を題材にしたテーマで書いてみたり、まだルールがそれほど厳しくなかった時代だったので、保育園に手伝いに行ったこともありました。</p>
<p>年齢を重ねるごとに、保育士という職業への憧れも強くなり、<span style="color: #ff00ff"><strong>「いつか、素敵な保育士になるんだ」</strong></span>という気持ちを絶えず持ち続けていました。</p>
<p>小学4年生の時の二分の一成人式で書いた手紙には、<span style="color: #ff00ff"><strong>「保育士のために学校に行って、勉強をしていますか？」</strong></span>とまで書かれており、二十歳になって送られてきた手紙を読んで、<span style="color: #ff00ff"><strong>「こんなに熱い思いがあったんだ」</strong></span>と自分でも驚いたほどです。</p>
<p>それも全ては、先生と同じ保育士になりたくて、一緒に働きたくて、子どもたちのそばで色々なことを経験したかったからでした。</p>
<h4><span id="toc3">理想と現実</span></h4>
<p>とうとう二十歳になり就職をしましたが、思い描いていた保育士とはまるで違う世界がそこにはありました。</p>
<p>初めて就職した場所が幼稚園ということもあり、遊びではなく勉強を中心としていたり、やることも多く、思い描いていた日常とはまるで違うことばかりが起きていました。</p>
<p>子どもたちと関わることよりも雑用が最優先だったし、先輩よりも先に行動することを求められたし、電話も競争のように取ることが当たり前の環境でした。</p>
<p>しかし、一年目の時は同じ学年の先輩や同期に恵まれ、忙しい中でも楽しく過ごすことができていました。</p>
<p>中には厳しくて、ここでは話せないような非現実的なことも沢山ありましたが、それも先輩たちと一緒なら何とか頑張って乗り越えることができました。</p>
<p>初めて受け持ったクラスは年少クラスで、子どもたちも初めての幼稚園に毎日泣いてくる子、不安を隠しきれずにいる子、中には場面緘黙の子もいました。</p>
<p>今のワタシには何ができるのか、一年目でも子どもたちと向き合い続ければ、きっと気持ちは伝わると、本当に日々がむしゃらに仕事をしていたんです。</p>
<h4><span id="toc4">少しずつ打ち解けて</span></h4>
<p>初めの3ヶ月は、やっぱり上手くいかないことばかりだったから、自分でも納得がいかなくて、後悔と反省の日々でした。</p>
<p>常に子どもたちのことを考えながら、<span style="color: #ff00ff"><strong>「どうしたら、もっと保育がうまくいくんだろう。どうしたら子どもたちと仲良くなれるんだろう」</strong></span>そんなことを模索していくばかりでした。</p>
<p>しかし、4ヶ月を過ぎたあたりから、子どもたちもワタシの名前を呼んでくれるようになり、何かあれば頼ってくれたり、助けを求めたりすることも増えていきました。</p>
<p>何より、一番助けられたのは保護者の方の支えも多かったのです。</p>
<p>新人ということもあり、よく声をかけてもらっていました。</p>
<p><span style="color: #ff9900"><strong>「先生！いつもありがとうね」</strong></span></p>
<p><span style="color: #99cc00"><strong>「あんまり無理しないでね」</strong></span></p>
<p><span style="color: #33cccc"><strong>「うちの子のことで困ったことがあったら、いつでも言ってね」</strong></span>と支えてもらうことも本当に多くありました。</p>
<p>新人だからできることも限られているし、もちろん出来ないことの方が多いはずなのに、それでも一人の先生として、保育士として見てくださることが、ワタシに自信とやりがいを与えてくれたような気がします。</p>
<p>子どもたちとの信頼関係も少しずつ出来上がっていくと、今度は子どもたちから何かを手伝ってくれたり、助けてくれることも多くありました。</p>
<p>ワタシ一人の力ではなく、多くの支えがあって、そして保育は成り立っていく。その基盤を作ってくれたのが幼稚園時代の日々だったのだと思うのです。</p>
<h4><span id="toc5">年に一度の交流を</span></h4>
<p>実はワタシは、社会人2年目で幼稚園から逃げています。</p>
<p>毎日のパワハラに耐えきれず、逃げるように仕事に行かなくなってしまいました。その過程には色々なことがありましたが、結果的に仕事を辞めることになりました。</p>
<p>2年目の時は、年長の担任をしていたということもあり、子どもたちを送り出すこともできずに、ただただ後悔だけが残っていました。</p>
<p><span style="color: #ff00ff"><strong>「もっと自分が強ければ。もっと我慢すれば」</strong></span>そうやって自分を責めることでしか、心を保つことができなかったんです。</p>
<p>けれども、思い出すのは子どもたちの笑顔だったり、一緒に過ごした日々だったり。</p>
<p>それでも逃げてしまったワタシに、子どもたちに会う資格などありませんでした。</p>
<p>しかし、その一年後、一番初めに受け持ったクラスの保護者の方が声をかけてくださり、ワタシと子どもたちだけの卒園式を行ってくれました。</p>
<p>空白の一年があったから、子どもたちも大きくなっていましたが、それでも会った瞬間に<span style="color: #ff9900"><strong>「なごんせんせいだ！！！！」</strong></span>と駆け寄って色んな話をしてくれました。</p>
<p>限られた時間の中で、止まった時間を取り戻すように全力で遊びました。</p>
<p>久しぶりに子どもたちに触れて、一緒に遊んだあの日。</p>
<p>ワタシはもう一度だけ、保育士になることを決めました。</p>
<p>新しい場所で、もう一度先生になる決意をしたんです。</p>
<h4><span id="toc6">数年の月日を経て</span></h4>
<p>あれから半年に一度、幼稚園の子どもたち数名と会っていました。</p>
<p>少しずつ大きくなっていく姿を嬉しく思いながら、それでもどこか面影を懐かしく感じていたんです。</p>
<p>大きくなっても<span style="color: #ffcc00"><strong>「先生」</strong></span>と言ってくれること、そして好きで居続けてくれたことは、本当に感謝でいっぱいです。</p>
<p>あれから8年の月日が経ち、ワタシは結婚をしました。</p>
<p>結婚式には幼稚園時代に見ていた子も数名足を運んでくれて、あんなに小さかった子たちと肩を並べて写真を撮る日が来るとは、全く想像もしていませんでした。</p>
<p>しかし一人の子だけは予定が合わず、会うことができませんでした。</p>
<h4><span id="toc7">一通の手紙</span></h4>
<p>結婚式から半年以上が経ったある日、我が家のポストに一通の手紙が届いていました。</p>
<p>そこには見覚えのある名前が丁寧に書かれており、まさかと思い手紙を広げてみると、結婚式に来られなかった子からのお祝いの手紙だったのです。</p>
<p>中学生になった彼女の字は、3歳だった時とはもちろん違うし、とても丁寧に書かれた字に敬語で文章が組み立てられていました。</p>
<p>学校生活の話。</p>
<p>新たに出会った友人のこと。</p>
<p>そして今ハマっている趣味のことなんかも書かれていました。</p>
<p>とても嬉しく思う反面、敬語で書かれた文章を見てちょっぴり寂しさを覚えていました。すると最後のページには、<span style="color: #ffcc00"><strong>「納言先生！！大好き！」</strong></span>と一番目立つように書いてくれていたのです。</p>
<p>その手紙を読みながら泣いたのは、言うまでもありません。</p>
<p>あれだけ小さかった子が、こんな素敵な手紙を書いてくれたこと。</p>
<p>そして学校生活を謳歌し、友人にも恵まれ、やりたいことを楽しんでいること。</p>
<p>本当に嬉しかったです。</p>
<p>そして改めて、心の底から<span style="color: #ff00ff"><strong>「保育士をしていてよかった」</strong></span>と思った瞬間でもありました。</p>
<h4><span id="toc8">保育士として過ごした数年間</span></h4>
<p>幼稚園と保育園の両方で働いたワタシは、運の悪いことに職場環境や人間関係には恵まれませんでした。</p>
<p>幼稚園では幼稚園の辛さがあったし、保育園では保育園の辛さがありました。</p>
<p>専門的な職種だからこそ、それぞれの思いも強く、そして偏ってしまうことも多くありました。何より昔ながらの方針や横暴な態度に振り回されて、疲弊した環境の中での仕事は、辛い記憶があっという間に蘇ってきます。</p>
<p>ただ、全てが悪いわけではなく、ほんの一部の人たちによって壊されてしまったんだと思うんです。</p>
<p>今でも幼稚園時代や保育園時代の同僚や先輩との関係は続いているし、友人として接してくれている人も、もちろんいます。</p>
<p>そして保育士を辞めた今でも、バッタリ外で会うと<span style="color: #ff9900"><strong>「せんせい〜！！」</strong></span>と手を振って名前を呼んで、昔のように話をしてくれることも、未だにあるんです。</p>
<p>その瞬間だけは、ワタシが先生に戻ることが出来る特別な時間です。</p>
<p>とても辛いことが多かったけれど、子どもたちと過ごした数年間は、今でもかけがえのない思い出として、心の中に残しているんです。</p>
<p>保護者の方にかけてもらった言葉だったり、子どもたちとの日々だったりが、今でも生きていく原動力になっています。</p>
<p>ワタシはこの先、保育士という仕事に就くことは、もうないかもしれません。</p>
<p>そして今まで見ていた子たちも大きくなるにつれて、少しずつワタシのことを忘れてしまうかもしれない。</p>
<p>それでも、あの子たちと過ごした日々が消えるわけではないから。</p>
<p>ワタシはこれからも、幸せだった日々のことを思い出し、それを糧として生きていこうと思います。</p>
<p>保育士をしていて、唯一良かったこと。</p>
<p>それは子どもたちと出会い、大切な日々を一緒に過ごさせてもらったことです。</p>
<p>この気持ちを忘れず、これからもあの子たちの先生で居続けていたいと思います。</p>
<h4><span id="toc9">最後に</span></h4>
<p>大きくなったみんなへ</p>
<p>学校は楽しいかな？</p>
<p>お友だちと仲良く遊んでいますか？</p>
<p>小さかった頃のみんなの顔は、今でも忘れません。</p>
<p>一緒に走ったり、遊んだり、時には喧嘩をしたこともあったよね。とてもパワフルで、真っ直ぐなみんなのことが今でも大好きです。</p>
<p>学校に行くと、小さい頃と比べて色々なことが出来るようになったと思います。</p>
<p>時には、悩んだり傷ついたりしてしまうこともあるかもしれません。</p>
<p>けれどそれは、あなたたちが大きくなるために必要な感情だから、忘れないでいてね。いつか、その気持ちも前向きに考えられる日が来ると思います。</p>
<p>みんなと過ごした毎日は、今でも先生にとって宝物です。</p>
<p>汗をいっぱいかいて、太陽の光を浴びて、本当に楽しかった。</p>
<p>そして、とても幸せでした。</p>
<p>みんなはこれからの人生で、やりたいことや目標、夢なんかも見つかるかもしれない。</p>
<p>そんな時は、全力でやりたいことに夢中になってください。</p>
<p>夢が途中で変わることがあってもいいんだよ。</p>
<p>目標が沢山あってもいいんだよ？</p>
<p>時には怠けることだって大事なんだ。</p>
<p>少しずつやっていく中で、自分のやりたいことや夢、そして大切なものは自然と見つかっていくはずだから。</p>
<p>ただ一つだけ、これだけは伝えさせてね。</p>
<p>どんなことにも誇りを持って、そして自分の気持ちを大切にしてね。</p>
<p>誰かに何かを言われても、否定されることがあっても、自分がやりたいと思ったことは、そのまま突き進んでいってください。</p>
<p>そしてそんな自分を好きでいてあげてね。</p>
<p>きっとその気持ちは、いつか自分に返ってくるはずだから。</p>
<p>みんなと出会って、先生は先生になれたんです。</p>
<p>この気持ちは、みんなと出会っていなければ、味わうことはできなかったんだ。</p>
<p>本当にありがとう。</p>
<p>みんなの先生にしてくれて。</p>
<p>楽しい毎日を一緒に過ごさせてくれて。</p>
<p>これからの人生も、誰かの為じゃなくて、自分のために生きていってね。</p>
<p>けれども助けてくれた人や支えてくれた人には、言葉で<strong>「ありがとう」</strong>を伝えていってね。</p>
<p>最後に、昔のように毎日一緒にいることはもうできません。</p>
<p>この先、会えるかどうかもわからないけれど、それでも先生は、みんなのことがずっとずっと大好きです。</p>
<p>学生生活を、そして人生を、これからも楽しんでいってね。</p>
<p>大好きだよ。</p>
<p>納言先生より</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
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		<title>勇気をもらった発表会</title>
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		<dc:creator><![CDATA[オリエンタル納言]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Apr 2023 09:19:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[保育士時代の体験談・過去のトラウマ]]></category>
		<category><![CDATA[保育園]]></category>
		<category><![CDATA[子ども]]></category>
		<category><![CDATA[感動]]></category>
		<category><![CDATA[感謝]]></category>
		<category><![CDATA[成長]]></category>
		<category><![CDATA[発表会]]></category>
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					<description><![CDATA[幼稚園を途中で辞めてしまった私は、もう一度保育士になりたくて、最後のチャンスだと思い選んだ場所が実家の近くの保育園でした。 面接を受けてすぐに採用が決まり、4月から契約社員として働くことになりました。 初めの頃は右も左も [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>幼稚園を途中で辞めてしまった私は、もう一度保育士になりたくて、最後のチャンスだと思い選んだ場所が実家の近くの保育園でした。</p>
<p>面接を受けてすぐに採用が決まり、4月から契約社員として働くことになりました。</p>
<p>初めの頃は右も左も分からないし、幼稚園の時のトラウマが残っていたから、常にビクビクしながら迷惑をかけないようにすることだけを考えながら、仕事をしていたような気がします。</p>
<p>しかし幼稚園とは違って、先生たちも優しく仕事のやり方や子どもの接し方を教えてくれたので、少しずつ保育士という仕事に本当の意味でやりがいを感じるようになっていきました。</p>
<p>保育園で働き始めて2年が経ったある日、当時の園長先生から<strong>「もし良かったら任期つき正社員の試験を受けてみない？」</strong>と提案をされました。</p>
<p>二つ返事でお願いをして、園で実施された試験を受け合格した私は、翌年、任期つきの保育士として働くことになったのです。</p>
<h4><span id="toc1">やりがいの中で</span></h4>
<p>正規の保育士になって一番初めのクラスは、乳児の担任でした。</p>
<p>不安を感じながらも先生たちの支えがあり、自由に好きなことを楽しみながら、子どもたちと接することができた一年でした。</p>
<p>翌年の配置で年中・年長の縦割りクラスの担任を任されることになったのです。その時の感情は、嬉しい気持ちと不安な気持ちの交互が入り混じっていたような気がします。</p>
<p>しかも同じ学年になった人たちは、園の中でも仕事ができると言われており、余計に足を引っ張らないか、保護者の方に迷惑をかけないか、そんなことばかりを考えていました。</p>
<p>しかし新学期が始まると忙しさでそれどころではなく、1日を無事に終えることで必死でした。</p>
<p>目まぐるしく過ぎていく日常と、覚えなければならない仕事の数々に、家に帰って寝る間も惜しんで仕事のことばかりを考えていました。</p>
<p>春が過ぎ、夏がやってきて、あっという間に秋も過ぎ去ってようやく冬を迎えた頃、ある事件が起きたのです。</p>
<p>忘れもしない、心に大きな傷を負うことになった出来事を。</p>
<h4><span id="toc2">2人きりの遊戯室で</span></h4>
<p>当時の発表会は、踊り、劇、学年ごとの合奏と歌で構成されていました。</p>
<p>初めてのことで、先輩たちにやり方を聞きながら遅れないように、毎日案を考えながら踊りの振り付け、構成、劇のセリフ、立ち位置などを一生懸命模索する日々でした。</p>
<p>劇の役決めや、踊りの振り付けも決まり練習も少しずつ進んでいたある日、主任に踊りの振り付けを見てもらう機会がやってきました。</p>
<p>各クラスが順番に主任に見せながら、意見をもらい修正を行っていく大事な機会です。</p>
<p>まずは先輩たちが踊りを見せると、少しだけ修正が入りながらも「さすがベテランね！よく出来てるわ」と褒められていました。</p>
<p>そして私の番になり、主任に一通り見てもらうと、腕を組みながら一言「ちょっとA先生を呼んできて」と言いました。</p>
<p>その言葉と雰囲気で全てを悟った私は、園庭で遊ぶA先生の元へ駆け寄り、勝手に流れてしまう涙を堪えることができず「すみません、もう一度踊りを見せてください」とお願いをしました。</p>
<p>私の姿を見た先輩は、驚いたものの「すぐに行くね」と言って、もう一度遊戯室で踊りを披露しました。</p>
<p>「さすがA先生！経験が違うわ。分かる？こういうことなのよ。A先生、ありがとね。もう戻っていいよ」と言って、私だけが遊戯室に残されました。</p>
<p>すると主任は、私の顔を見ながらある二択を提案してきたのです。</p>
<p><strong>もしも私の言うことを聞かなければ、保護者からクレームが来ても『あの子が勝手にやったことだから』って言うからね。</strong></p>
<p><strong>けど、あなたが私の言うことを聞いて従ってくれるのなら、もしも保護者からクレームが来ても『あの子も初めてだから、許してあげて』って言ってあげる。</strong></p>
<p>二択を突きつけられた時、答えはもう1つしかないと分かっていたけれど、改めて頭を下げて「教えてください」と言いました。主任は、とても満足そうに「そう？なら、教えてあげる」とだけ言って、この日はクラスに戻ることになりました。</p>
<p>クラスに戻ると心配したA先生は「大丈夫？」と声をかけてくれましたが、その優しさに涙が出てしまいました。その姿を見て「あなたの考えた踊り、私はよかったと思うよ。ちゃんとできていたし、子どもたちの個性も出ていたよ」と慰めてくれました。</p>
<p>発表会の練習に入る前から、噂は聞いていました。</p>
<p><strong>主任は毎年ターゲットを1人決めて、自分の思い通りにできるようにする</strong>ということを。そして学年の中で一番若かった私が、今年のターゲットにされたということも理解した上で、悔しくて悲しくて涙が止まりませんでした。</p>
<p>その日私は、園の中にある倉庫の中で少しだけ泣きました。</p>
<h4><span id="toc3">個別指導の日々</span></h4>
<p>その日から、毎時間呼び出されて踊りの指導や位置の指導をされました。</p>
<p>私の考えていたものは原型がなくなり、全て主任の思い通りに変更されていきました。職員室に呼ばれてすぐに<strong>「音楽かけて」</strong>と言われ<strong>、「はい」</strong>と言う毎日。私の意見は、何一つ反映されることも聞かれることもありませんでした。</p>
<p>そんな日々が続きながらも、言われたことを精一杯やりました。</p>
<p>発表会まで二週間を切った頃、先輩たちのクラスは仕上げに差し掛かり、ほとんど完成している状態でした。</p>
<p>そんな中、突然<strong>「タップダンス入れなよ！あっ、ここも変えなよ」</strong>と二週間前にほぼ一からの状態にされてしまったのです。子どもたちも振り付けを覚えて、ようやく楽しんでくれるようになったのに・・・。</p>
<p>私は頭が真っ白になり、放心状態になってしまいました。主任は、新たなアイディアを思いついたことで、さらに<strong>「自分はやっぱり素晴らしい」</strong>と思っているような雰囲気を出していましたが、何1つ言葉が入ってこない私に対して、思いついた限りのアイディアをその後も言い続けていました。</p>
<p>彼女の中で、私の想いや子どもたちの頑張りなど、必要ではないのです。ただただ、自分の自己満足を満たしたい、それだけのような気がしてなりませんでした。</p>
<h4><span id="toc4">子どもたちに救われて</span></h4>
<p>新たに振り付けを変えることは、子どもたちにも大きな負担になります。しかし、やらなければ怒られてしまう。</p>
<p>悩んだ私は、子どもたちに相談することにしました。</p>
<p>「あのね、みんなの踊りがとっても素敵だったから、少し難しい振り付けに変えてもいい？時間が少ないけど、どうかな」そう聞くと「大丈夫だよ！」「できるよ！踊り楽しいもん」と言ってくれたのです。</p>
<p>私は思わず「ありがとう、ごめんね。ありがとう」と涙をギュッと堪えて子どもたちに感謝を伝えました。</p>
<p>子どもたちにも、もしかしたら気づかれていたのかもしれませんが、誰1人文句も言わずに楽しんで練習に付き合ってくれました。そして本番一週間前に、タップダンスを入れた踊りは完成したのです。</p>
<p>その様子を見ていた他の先生は、「本当によく頑張ったね」と感動の涙を流しながら、子どもたちを、そして私を褒めてくれました。</p>
<p>けれども主任からは「まぁ、いいんじゃない？」とだけ言われました。</p>
<h4><span id="toc5">本番当日</span></h4>
<p>前日に子どもたちと約束をしていました。</p>
<p>「明日は、間違えても忘れてもいいんだよ。でも楽しんできてね」と。その言葉通り、子どもたちは笑顔で楽しみながら踊ってくれました。その姿を舞台側から見ていた私の方が、涙を堪えることに必死でした。</p>
<p>発表会が終わった後、主任から「よく頑張ったね」と言われることも、何か言葉をかけてもらうこともありませんでした。むしろ、踊りのことなんてなかったかのように振る舞われ、私の初めての発表会は幕を下ろしました。</p>
<p>あの出来事は今でも忘れないし、毎日が本当に辛くて泣いてばかりいました。先輩たちと比べられ、心無い言葉を言われたり、保育に入れずに音楽をかける係をひたすらさせられた数週間は本当に地獄でした。</p>
<p>けれども子どもたちの笑顔が、頑張る姿勢が私に勇気を与え続けてくれました。</p>
<p><span style="color: #3366ff;">踊りの完成度や失敗しなかったことが成功ではなく、あの子たちが楽しんでくれたことが一番の成功だと思っています。</span></p>
<p>辛こともあったけれど、子どもたちのおかげで乗り越えることができた、そして今まで味わったことのない感動を味合わせてくれた子どもたちに、今でも感謝しかありません。</p>
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