今週の日曜日は、人生で初めて授賞式というものに出ます。
その内容は、「働くことについて」ワタシが書いたエッセイが評価をされ、受賞者として呼んでいただいたからです。
あの日、ポストに一枚の封筒が入っていた時には、驚きで手が震えて、一瞬何が起きたか理解することができませんでした。
「おめでとうございます」と書かれた紙を何度も何度も読んで、たった一人きりの部屋で、「ワタシの思いがようやく伝わったんだ」そう涙を流しました。
保育士だった頃の楽しさを、人生の中で最も辛く苦しかった日々を。
ようやく前を向いて、歩き出せそうな予感がする。
そう思えた瞬間だったのです。
長く苦しいトンネルの中を
仕事を辞めてから、もうすぐ一年が経とうとしています。
エッセイでも何度か書いた通り、今の生活を取り戻すために本当に様々な葛藤や困難、時には失望感を味わいながらひたすら向き合い続けてきました。
それはまさに、出口の見えないトンネルの中をひたすら歩き続けているような感覚だったと思います。
栄養失調に摂食障害、終わりの見えない頭痛、そして全身を覆い隠すほどの恐怖感は、ワタシの心を悪戯に蝕んでいきました。
「子どもたちに会いたい、もう一度先生として関わりたい」そう思っていても、叶わない現実が、何よりも辛かったのです。
エッセイの中で伝えたこと
今回書いたエッセイでも、今までの保育士の頃の話を書き連ね、必死に自分の思いを文章に起こしてきました。
まるで何かに取り憑かれたかのように、一心不乱に書いていたような気がします。
何かしらで保育士だった頃の自分を残したくて、そして子どもたちの思いを綴りたくて。
そんな思いでいっぱいでした。
その気持ちが伝わり、優秀賞ではななかったけれど、賞に選んでいただいたことだけでも、気持ちが少しだけ軽くなったような気がしました。
それはきっと、どこにもぶつけられない思いと、本当のことを知ってほしい気持ちから必死に伝え続けた結果が、賞として認められたと気付いたから。
夫が伝えたかったこと
しかし、一度だけ悔しくて涙を流したことがありました。
「もっと上の賞が取りたかった。とても悔しい」そう夫に言って、号泣してしまったのです。
すると夫はいつになく真剣な顔をしながら、こう話しました。
「この賞を取った人の中で、きっと保育士で、壮絶な体験をしたのは君しかいないと思う。どういうことか分かる?君は保育士代表として賞をもらいに行くんだよ。今の現状を伝えるために、子どもたちの未来を背負った先生として、賞をもらうんだよ。悔しいのは分かる。けれども、一番大切なことは、君が何を伝えるかじゃないのかな。保育の現状を、思いを、伝えるのが君のやりたいことだろ?だったら、堂々と行くべきだ!『先生は夢を叶えたんだ』って。『自分の思いを相手に伝えられるように努力したんだ』って子どもたちに、同じ保育士の人たちに見せるべきだよ」と。
あの言葉でワタシは前を向くことを決意し、そして授賞式に向けて準備をすることにしました。
ずるかった過去と、向き合う今
今までの人生で体験のできなかったものを、今週の日曜日に体験することとなるでしょう。
そしてもしも、話をする機会があるのであれば、ワタシは自分の意志で、思いを伝えたいと心に誓ったのです。
長かったです。
本当に長く、ワタシにとっても、彼にとっても毎日が苦しいことばかりでした。
ただこの日をずっと夢に見ていました。
保育士だった頃の出来事や、現状の厳しさ、辛さ、憧れや好きだけではやっていけない過酷な環境のことを。
夢だけで食べていける人は、ほんの一握りだと思います。
そして、好きな仕事に就けたとしても、ワタシのように現実の厳しさに耐えられず辞めてしまうことも当たり前のように存在してしまう。
けれども決してあってはならないことは、相手の気分や押し付けによって人間関係が壊れてしまい、仕事ができなくなってしまうことだけはあってはならないと思うのです。
それをワタシは、長い間経験をしました。
時にはターゲットになりたくなくて、同調をしてしまったことも、同じように陰口を叩いてしまったこともありました。
だからワタシも、嫌なやつだったんです。
それも全て、仕事を辞めることで気づきました。
ずっとずっと、目を背けていたことに・・・。
大きな舞台で凛と立つ
この授賞式がどんなものなのか、正直わかりませんが、堂々と前を向いていこうと決めました。
そしてもしも、話す機会があるのであれば、保育士だった頃のことを話したいと思っています。
きっとこれが何かのきっかけになると、信じているから。
そして子どもたちにも、かつて同じようなことを言っていたんです。
「どんな夢も、信じてやり続ければ絶対に叶うんだよ。新しいものに変わってもいいんだ。でも、自分のことを信じないと、どんなことも叶わないから、信じてあげてね」と。
あの言葉が回り回って自分に返ってくるとは、思いませんでした。
ワタシはもう一度だけ、保育士として授賞式に向かおうと思います。
先生と呼ばれたあの時のことを、思い出しながら。
みんなの顔を思い浮かべながら・・・。
ナイーブな私に勇気をください
受賞式でをよんで
受賞おめでとうございます。
『保育士納言さん』
私は納言さんがお辞めになっているだけで、復職しなくても、納言さんはずーと保育士でおられると思っています。
もう一度とか、もう二度ととか考えないでいて欲しいです。復職を進めているのではありません。今までつちかってきたのだから、色々考えはおありでしょうが、もう一度なんて堅苦しく考えず肩の力を抜いてほしいです。
今回はの受賞作品を保育士納言さんとしてスピーチで聞いてみたいな。
なんて思ったエッセイでした。
今回もありがとうございます。
再度、
『受賞おめでとうございます。』