真夏の夜のゴマ事件

こんにちは！オリエンタル納言です。

コロナもようやく完全復活をとげ、私の夏が始まるぜぇ！！！！なんて思っているのですが、そんな夏には、忘れられない出来事がいくつかあります。

その中でリクエスト企画にまさかの「夏の事件」というテーマをいただきました。

色々考えた末にいくつもの思い出の中で、強烈かつ印象に残りまくったエピソードを今回は書いていこうと思います。

皆さんにもきっと忘れられない夏の思い出があると思いますので、自分の過去と重ねながら、「やっぱりオリナゴって変な人とばっかり出会ってるよなぁ〜」なんて思いながら読んでもらえると嬉しいです。笑

それでは、スタートです！！！

お片付けが苦手なあの子

当時付き合っていた彼は、とてもお片付けが苦手な人でした。

初めてのデートで登場した車の中には、隠しきれない食べた後のゴミや袋、どこかの試供品などが転がっていて、ワタシの座る助手席だけはなんとか綺麗にされている状態でした。

しかし、この頃のワタシは結構自暴自棄になっていたし、正直彼氏さえ出来ればいいやなんて考えていたところもあったので、車の中が多少汚かったとしても、あまり気にしていなかったのです。

そして事前に「俺の車、汚いけど許してな」とも言われていたので、（思ったよりも片付けたんだな）程度にしか思いませんでした。

出会って数回のデートを重ねてすぐに付き合ったので、彼が片付けが苦手なことも、整理整頓が不得意なことも全く分かりませんでした。

徐々に出てくるボロ

しかし付き合って数ヶ月もすると、メッキが剥がれていくように、どんどんボロが出てきて、部屋の中は散らかり放題、食べたゴミはそのまま、いつのペットボトルかも分からないものがベッドの下に転がっていたりと、若干の潔癖症が入っているワタシからしたら、見ているだけで喉が痒くなり、蕁麻疹が出てきそうなレベルまでの汚部屋レベルになっていました。

普通であれば自分のことは自分でやれよという話なのですが、ダメンズ製造機であるワタシは、デートの前に彼の部屋を綺麗に片付けて、掃除をして、床を拭いて、布団も干してという完全に上京した息子のために甲斐甲斐しく世話をするお母さんみたいなことを毎回してあげていました。

友人たちに話すと、「そんなことしなくてもいいじゃん」なんて言われていたのですが、「ワタシも一緒に過ごすからさ。汚いと嫌じゃん」と何かにつけて、都合よく理由を見つけていたんです。

そんなことばかりをしていたから、彼はめでたく何もしないダメ男に進化し、ワタシは掃除係兼彼女としてのポジションを獲得しました。

ライフラインが止まりまして

彼と付き合っている中で、驚かされる出来事が何度もありました。

彼は一人暮らしだったのですが、ある日お泊まりの約束の前日に電話がかかってきたのです。

「あのさ、今日水道が止められたんだよね。なんかハガキが来てたらしいんだけど、払い忘れてたわ」

「えっ！？水使えなかったらどうやって今日過ごすの！？」

「いやぁ。でも俺仕事やしさ・・・。そうだ！納言ちゃんが水道局に電話してさ、元栓開けてもらうの立ち会ってよ」

「えぇ！！！！！でも、彼くんの家まで1時間はかかるんだよ？自分のことだもん、自分でしたほうがいいんじゃないの？」

「別に俺は止まっててもいいんだけど、明日泊まりに来て困るの納言ちゃんやろ？俺仕事やし、それじゃあ頼むわ」

そう言われて、ワタシはものすごく腹を立てながらも行ってしまったのです。水道局に電話して、元栓を開けてもらうための立ち会いを・・・。

約1時間の道のりを高速をかっ飛ばして。

今思えば本当にバカだったなと思うのですが、当時は盲目モードもあってか、周りが見えておらず、「水が使えなかったら困るもんね…」となんとか納得できるように解釈してしまったのです。

しかし、水道局の手続きをしたのにも関わらず、彼に言われた言葉は「ふーん、ありがと」だけでした。

今思い出しても腹がたつ。笑

珍エピソード

彼のエピソードは中々濃いものが多いのですが、基本的には片付けが苦手で、自分の周りを整理整頓することが不得意な性格だったので、家の中は常にぐちゃぐちゃだったし、カラーボックスにカビが生えている事もありました。

それを文句を言いながら片付けていた自分が、一番クレイジーだなと今思い返せばわかるのですが、当時は仕方なく掃除をしていたんですよね。

しかし、そんな彼には少し厳しい一面もありました。

ある時、ワタシが電車で待ち合わせの駅まで向かう途中に、電車が遅れて彼を5分待たせてしまったことがありました。

急いで車に向かい、「遅れてごめんね」と言うと、いつもとは全く違った雰囲気を出しながら、開口一番に「ねえ、どういうつもり」とキレ始めたのです。

「普通さ、電車が遅れるかもしれないって予測が立てられるなら、もっと早く集合しようと思わないの？1時間前に来てカフェで時間潰しながら俺を待ってるとかできないわけ？」

「えっ！？でも、今回の電車の遅れはイレギュラーだし、仕方がなかったから・・・。それに連絡も入れたよ？『電車が遅延してるから』って」

「そんなこと言ってんじゃなの。普通迎えに来てもらってる立場だろ！なら、迎えに来てる人を待たせるようなことすんなよ」

「もっと早く来ればよかったってこと？」

「俺ならそうするね」

そう言いながら鬼の形相でキレていたのですが、普段はワタシが車で彼の家に行くから、集合場所なんて関係ないし、デートに行く時間もダラダラしていて時間を過ぎることもザラにあるのに、こんな風に言われるなんて、なんて理不尽なんだと思ったけれども、この時はあまりの理不尽さに言葉を失い、「ごめん」とだけ言いました。

そして最後には「本当に気をつけろよな」とご満悦の表情で言われたあの顔は、一生忘れないでしょう。

あのゴマの正体は

そんなこんなで色々言いたいことは山のようにあるのですが、付き合い始めてから数ヶ月が経ち、だいぶ彼の人となりも分かってきたある日。

いつものように家にお邪魔した時のこと。

彼は仕事だったのでまだ帰ってはおらず、ワタシだけが先に家に入ることになっていたので、合鍵を使って部屋に入りました。

すると玄関のすぐ横には、二つの大きなゴミ袋が置いてありました。

珍しくゴミ袋が置いてあることに「掃除したんだ。すごい」と感心していましたが、やっぱり散らかっている部屋でくつろぐことは出来ず、とりあえずいつも通り掃除を始めました。

リビングを掃除し、布団を全て剥がして洗濯をした後、今度は玄関周りに取り掛かろうとしたんです。

すると、感心したはずのゴミ袋の下には白いゴマが大量に落ちていました。

「ゴミ袋にゴマでも捨てたんかな？」と片付けようとした時、ワタシは目を疑いました。

動くはずもないゴマが、なんとなくだけどモゾモゾと動いているように見えたことに、一瞬ドキッとしながらも、「いや、ゴマが動くはずなんてない」そう言い聞かせ、掃除機をかけようとしました。

しかし、何故こんなところに無造作にゴマが大量に落ちているのか、疑問に感じ始めたら気になって仕方がなくなってしまったのです。

そして脳裏をよぎったのは、これがゴマではなく、別の生命体だったらということ。

そしてそんな生命体を掃除機なんかで吸ってしまったら、一体どうなるのかという2点が気になり出したらもう止まらない。

深呼吸をし、何度も何度も決意を固められるように「大丈夫。これはゴマ、絶対ゴマ」と言い聞かせ、そして決心をしたのです。

この正体を自分の目で確かめることに。

恐る恐る近づいて見てみると・・・。

ゴマではなく、大量のコバエの卵だったのです。

その答えを確信的にさせたものは、2つのゴミ袋でした。

ゴミ袋の中を見た時、小さな黒い塊が何十匹もうごめいている姿を見た時、「あぁ！！！！！！！！これはゴマじゃない。虫の卵なんだ！」と確信したのです。

大の虫嫌いなワタシにとって、もはやこの部屋は地獄。

しかし、この部屋に泊まるというミッションがワタシにはあり、そして掃除をしなければ、ゴマのフリした虫の卵を片付けなければ、この部屋で1日を明かすことは出来ない。

全てを悟り、友人にほぼ半泣き状態で電話をかけながら、コバエ&ゴマ退治を決行しました。

所要時間は約1時間。

何故ワタシがこんな思いをしなければならないのか、そしてなんで自分の部屋でもないのに、こんな格闘しながら片付けなければいけないのか。

もう本当に片付けながら、どうしようもない怒りがまさにコバエのように湧いてきて、「これは本人に言おう！」と決意したのです。

決戦のコバエ事件

仕事から帰ってきた彼のために、とりあえず食事を用意しました。

特にありがとうと言われることもなく、おかわりするときには無言で手を出され、さらにカチンときていたワタシは、少し時間が経った頃、このコバエの話を持ちかけたのです。

「あのさ、今日部屋を掃除したのね。そしたらゴミ袋の下にコバエの卵がうじゃうじゃいたんだよ。袋の中にもコバエが大量発生してたから片付けたんだけど、そろそろ掃除ちゃんとしたほうがいいと思う」

「えっ？コバエ？いないよ」

「へ？いたよ。ワタシが片付けたからいないんだよ」

「あぁ、そうなんだ。でもさ、気になった奴がやればいいやん」

「気になった奴って・・・。一緒にいる時は協力するけど、せめて一人の時は片付けて欲しいかな」

「はいはい。あのね納言ちゃんはちょっと気にしすぎだよ。そんなこといちいち気にならんて」

「いや、なるよ。（笑）ごめんけどなるよ。見てないから知らんだけで、見たら驚くから」

「はいはい、分かりました」

と言った具合に、この頑張りを認めてもらえるわけでもなく、挙げ句の果てには迷惑そうに対応されたゴマ事件はあっけなく終わりを迎えました。

二人のその後

結局その後は、色々あってお別れをしたのですが、その理由も「好きな人が出来た」と一年記念日に告白され、盛大に振られる悲しい結末にて、私たちの関係は幕を閉じました。

曲がりなりにも好きだったし、精一杯の協力をしてきましたが、いつの間にか都合のいい存在として扱われていた頃には、すでに他の女性との関係を作り始め、燃えるゴミのようにポイっと捨てられてしまったのです。

今まで数々の恋愛をしてきましたが、そのどれもが尽くしすぎるが故に振られてしまうことが多かったような気がします。

相手のことを思った行動が、逆に相手に安心感と「こいつなら何しても許してくれるだろう」と下に見られることに繋がってしまったのではと今なら分かります。

そしてワタシ自身も、これ以降は付き合った彼の家の掃除をすることはやめました。笑

夏になると今でも思い出すんです。

大量のゴマとコバエを。

この事件以降、ワタシは家のゴミ袋はすぐに捨てることを意識し、絶対にコバエが湧かないような努力を重ねています。笑

彼との交際で唯一役に立ったことは、夏場は特に袋を放置しないということでしょう。

あなたの家のゴミ袋の下、そして袋の中は大丈夫ですか？

白く濁ったゴマが落ちていたら、それはもしかするとコバエの卵かもしれませんよ？