さて深夜0時を回り、世の中は少しずつ静けさの中に入ろうとしている。
人々は眠りにつき、夜勤のある方は仕事に全力を注いでいる時間帯だろう。そんな中、ワタシの活動が活発になる時間、それが深夜0時だ。
スマホを片手にBGMを流し、まるで自分がこの部屋の主役になったかのように役になりきる。その様を彼は少々面倒くさそうに見つめる。
1LDKの室内をソロリソロリと近所迷惑にならないように移動し、その辺の家具に身を隠しながら気分は刑事そのものだ。今ワタシのスマホからかけられているBGM、そうそれは「太陽にほえろ!」なのである。
このテレビを見たことは、一度もない。
けれども歌だけは何度も何度も聴いたことがある。
気持ちはまさに、数々の事件を解決した敏腕刑事なのだ!
「ゆけッ、納言!調査しろ!そして数々の小さなどうでもいい事件を解決に導くのだ!」
そんなナレーションを勝手に口にしながら、ワタシは深夜0時に役になりきります。
曲に合わせて気分をかけて
引っ越したばかりの頃は、「丁寧な暮らしをするぞ!」と意気込んでいました。
ジャズを流してココアを啜りながら、1日の出来事を穏やかに彼と話す毎日・・・。そんな美しい日々を思い描いていました。
けれども今ではどうでしょう。
深夜0時に差し掛かるあたりで、ワタシは何故だかテンションが上がり始めてしまうのです。舞い上がる気持ちを抑えきれずに、好きなBGMを探し、近所迷惑にならないことだけに集中力を研ぎ澄ませ、役になりきるのが唯一の楽しみになっています。
そしてその姿を隣で見てる彼は内心きっとこう思っているでしょう。
(あぁ、またこの時間が始まった・・・)と。
そんなこともお構いなしに、ワタシは毎日いろいろなBGMを流しながら踊ったり、役になりきったりしているのです。
多分これがワタシなりのストレス発散方法なのかもしれません。
マツケンサンバから始まって
昔から好きだったマツケンサンバ。Tシャツまで持ってるほど好きなわけで、深夜にかける曲にもってこいの選曲だと思っています。
サンバ棒に見立てたサランラップの芯を両手に持って、腰元軍団の1人を演じることからステージは始まります。これにもちゃんとしたストーリーを持たせることに謎のプライドを見せてしまうのですが、ワタシが演じるバックダンサーは一番前の主力メンバーではありません。
端っこの方で笑顔を作りながら、時には手拍子を促したり、マツケンが出てきたタイミングで舞台袖にはけてサビ前になるまで待機する役です。
その間彼は何をしているかというと、マツケンの曲が流れる部屋の中で、ワタシの出番がくるのをただひたすら待たされています。
そして、「バックダンサーでも主力メンバーじゃないんだね。後ろにはけて待ってるタイプの腰元なんだね」と時折ツッコミを入れながら待たされています。
しかし、曲が終わった時には近所迷惑にならないような拍手とエアーの花を投げる係をお願いしています。
そして主力メンバーではない立ち位置なので、いつかセンターで踊れる立場になることを密かに狙っている表情を浮かべてこの役は終わりをむかえます。
「ダラダラデカ」
冒頭でも話した「太陽にほえろ!」このBGMを流す時には、ワタシ自身も刑事になりきる必要があります。コードネームとでも言いましょうか、ワタシにも刑事の名前が必要になる。
普段活発な行動や動きがあまり得意ではないところ、そして何をするにもダラダラしてしまうところを存分に考慮した結果ワタシの名前は「ダラダラデカ」になりました。
曲が始まってもひたすら床の上でダラダラしながら、その辺にいるであろう犯罪者に寝転がったままピストルを向けるのがワタシの役になります。
その姿をソファーに座りながら見ている彼は、「この刑事には絶対に頼みたくない」と悪態をつきながらも、一部始終を見届けざるを得ないのです。
何故なら、ところどころで見ていないと「こっちは真剣なんだぞ!ちゃんと刑事の世界観を作ってくれよ!」となんとも身勝手なクレームが入るからなのです。
ファンタジーにもお邪魔して
その気分であらゆる曲をかけるのですが、その中には某テーマパークのパレードの曲をかける時もあります。その時はもちろん、主要キャストではなく、デビューしたてのダンサーの方か、それともパレードの中の整備をするスタッフになりきることが多いです。
ただたまに、本当に気分が乗っている時だけは図々しく主要キャストの前で踊るダンサーさんをやらせてもらうこともあります。
その時ばかりはワタシ自身もゾーンに入っているため、1LDKの家ではなくちゃんとテーマパークにいるような気分で踊っているのです。
満面の笑みを浮かべて、お客さんに手を振ったり、時には近寄りながら笑顔の魔法をかけたり、それはもう気分は1人の立派なキャストなのです。
ただこのファンタジーの世界が登場することはかなり稀であり、特に気分のいい日にしか登場することはありません。
締めはやっぱり
全ての役になりきったあとは、必ず一つの曲で締めを行います。
それがみんな大好き「ドンキ・ホーテ」のテーマ曲です。
これももちろん歌い手ではなく、後ろにいるバックダンサーとして彼の前に立ち踊っています。
もはやこれは、締めのような作業ですね。
目の前で、しかも深夜0時にドンキ・ホーテの曲に合わせて踊られたら普通だったらイライラしてしまうでしょう。もしもワタシが逆の立場だったら、間違いなく避難する場所をすぐさま探します。
けれども彼は悟りを開いた顔をしながら、手拍子と共に合いの手を入れて参加しています。
そうでもしないと、この一連の謎の行動が終わらないことを知っているから・・・。笑
振り付けは独自のやつをやっているので、何回も見ている彼はところどころ踊れるようになってしまい、合いの手、手拍子、一緒に踊るという無限ループを疲れている中でやらされているのです。
ストレスと向き合っていこう!
ワタシはかなりストレスを溜めやすいタイプです。
思ったことをあまり言えない性格もあってか、仕事が終わったり、何か嫌なことがあるとこうして役になりきりながら踊ったりすることでストレス発散をしています。
けれども全てが終わった後には清々しい気持ちでお風呂に入ることができるのです。
正直彼にはかなり迷惑なことだと思いますが、「これで、納言ちゃんの気持ちがおさまるなら・・・」と、もはや諦めの境地にいるそうです。
ただ八つ当たりをしたり、謎に喧嘩をするよりも手拍子と合いの手で済んでいるのなら、一番平和だとワタシは勝手に思っています。
そしてこれからも、こうやってくだらないことを全力でやりながらストレス発散していこうと思うのです。
「ダラダラデカの周りを巻き込んだストレス発散はこれからも続く。負けるな真周!なりきれッ!納言!これからも夫婦の謎に満ちた深夜0時は続いていくのである・・・」
ナイーブな私に勇気をください
役になりきる深夜0時を読んで
これは驚きです。納言さんのブログを色々読んで来るにも関わらずビックリしました。
BGMは流れていますが、いわゆるパントマイム的なものでしょうか?それとも、もっとショーアップされたものでしょうか?笑
昨今、SNSなるもので動画を投稿される方がおらるますが、是非是非ご投稿されることを期待します。笑
しかし、パートナーの方も寛大な···笑
パートナーの方に飽きられないように新作も、ご検討されてはいかがでしょうか。笑
早朝からハッピーな気分でスタートできそうです。ありがとうございました。笑
いつも読んでくださり、ありがとうございます!
普段は格好つけた投稿ばかりしているので、TKさんのアイディアみたいに、この深夜0時の謎のダンス時間をあげるのも面白いかも知れないと、勝手にメモをしてしまいました。笑
最近音楽もマンネリ化しているので、そろそろ新作も考えてみようかなとコメント読みながら思いました!
Tkさんのコメントにはいつもハッとさせられることが書いてあるので、本当に嬉しく、また参考にさせていただいています。
いつも本当にありがとうございます!