ちゃんと性格が悪い人

オリエンタル納言日常日記

ワタシは善人でも悪人でもありません。

時には文句だって言うし腹が立つこともある。かと言って誰彼構わず敵を作るようなことはしないし、敬意を払って接することもあります。

人それぞれ考え方も価値観も違う中で生活を共にするし、社会の中で生きていくと思っています。

けれどもこの世の中には、そんな常識がまるで通用しない「ちゃんと性格の悪い人」に悲しいけれど出会ってしまうことがあるんです。

そしてその大半は、自分の性格の悪さにはまるで気づかずに、それどころか自分は好かれていると思っているところがまた厄介なのです・・・。

レベル99の八方美人

今まさに出会っているちゃんと性格の悪い人は、玄人の八方美人です。

ただの八方美人ではありません。もはやこれは芸術レベルではないかと思うほどにあらゆる人にいい顔をして、いかに自分が好かれているか、いかに自分がいい人かを演じることに長けています。

だがしかし、このレベルの高さまでいくと何が起こるか・・・。

そう、さっきまで仲良くしていたはずの人の悪口を少し離れた場所で違う人に悪口として言いふらしたり、時にはその人を下げるようなことを言ったりもします。もちろん自分が嫌だと思ったことを言っているのだろうけれど、話の中で脚色を加え、いかに相手が自然に嫌われていくかを考えながら言葉を選んでいるように思えるのです。

そして時には、自分自身が悪口を言っていたにもかかわらず、直接本人に「〇〇さんがあなたの悪口を言っていたから、気をつけてね」なんて他人を敵にして、自分は味方のようなフリをするのもレベル99の八方美人の特徴でもあります。

不機嫌の演出を

ちゃんと性格の悪い人は、大概朝から不機嫌オーラを出してくることがあります。

「おはようございます」の言葉をギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいの声で発し、足音で不機嫌を演出、荷物の置き方で不機嫌を演出、椅子に座りため息をつくことも全て演出で行なっております。

心の中が読めるわけではないけれど、きっと「私は今猛烈に不機嫌なんだから、あなたたちが察しなさい!そして、ちゃんと私に全力で気を遣って気分が良くなるようにヨイショしなさい」と試すような行動をとり続けていくのです。

そんなことを毎日されてはたまったもんじゃないし、何より普通の人であれば楽しく仕事がしたいと思うでしょう。

その行動に疲れてしまう周りの人たちは本能的に忖度せざるを得なくなり、そしてご機嫌取りに必死になってしまうこともあるのです。

シンプルに悪口

これはちゃんと性格の悪い人全てに当てはまると思いますが、シンプルに悪口を言い続けています。

自分以外の人をまるで敵だと思い、悪いところばかりを探すことがもはや生きがいになっているのではないでしょうか。

それも周りから見れば、別になんとも思わないことだとしても、味方を作ることに必死だからこそ「あなたたちも同じ気持ちよね?」と言わんばかりの誘導尋問をしてくることもあるのです。

そこに反応しなかったり、同意や同情をしなければ、彼女たちはすぐさま敵認定をしてくるのです。

反応に困っていても同じ気持ちだと思われるし、濁した言葉を使っても意味をねじ曲げてくることもある。かと言って「そうですよね!ワタシも同じ気持ちでした」なんて言った日には、もれなくちゃんと性格の悪い人側になってしまうのです。

まぁ、向こうとしては同じ種族を増やすために必死になっているのだから、口を滑らせてくれる機会を虎視眈々と待っているのですが・・・。

負けない心を持つこと

ワタシはこういったちゃんと性格の悪い人に何度も出会って来ており、若い頃はワタシ自身も性格の悪い人になりかけたこともあります。

あらゆる場面に遭遇して、学び、そして同じ性格の悪い人にならないように反面教師にしながら社会人生活を過ごして来ました。

悪いところよりも良いところを見て行きたい。

相手のことを知っていけば、きっと楽しく仕事ができるはず。

そう思いながら、ちゃんと性格が悪い人たちにも寄り添う努力を何度もして来ましたが、残念ながら彼女たちが変わることは一度もなく、結果はワタシ自身が彼女たちに嫌われる結末が毎回やって来てしまうのです。

そして保育士として働いていた時には、ちゃんと性格の悪い人たちに心が負けてしまい、二度も仕事を辞めることになってしまったのです。

そして今、働いている職場にもちゃんと性格の悪い人がいます。

そして誓ったのです。

もう二度と、彼女たちに振り回されて何も言えずに負けるのはやめようと。

いつまでも野放しにしてはならないとも。

見放された人生だったから

ちゃんと性格の悪い人たちは、悪い意味で周りが何も言ってくれなかったのでしょう。

善悪の違いを教えてもらうことも、正しいことが何なのかも教えてもらえなかったのかもしれません。

それどころか勘違いが重なりすぎて、気持ちだけが大きくなってしまったのだと思うんです。

そして気がつけば、一人天狗みたいに傲慢で身勝手なモンスターと化してしまったのでしょう。

もしも、相手の心に寄り添うことが大切だと誰かに教えてもらっていたのなら、もう少し考え方も行動も変わっていたと思うんです。

ワタシよりも年齢を重ねて、あらゆることを学んできたであろう年になっても一向に身勝手さが変わらないのであれば、それは伝えてこなかった周りのせいでもあり、そして野放しにし続けた身近な人間のせいでもあるのかもしれません。

哀れな人たち

ちゃんと性格の悪い人たちを、ワタシはとても哀れでむしろ可哀想な人だと思っています。

俯瞰で見る力が無さすぎるのか、それとも相手の気持ちに寄り添う想像力を落として来たのかは分かりません。

相手の悪いところばかりを見て、汚い言葉に埋め尽くされた自分自身を本当に誇りに思えているのか、それすらも疑問でならないのです。

そしてちゃんと性格の悪い人たちは似たような顔をしている気がします。背後には何だか黒い影のようなものがまとわりついていて、口の中が心なしか澱んだ色をしている。くすんだ色の表情で毎日嫌なことばかりを吐いている、そんな顔をしているのです。

ワタシは年齢を重ねるごとに、想像力のある成熟した大人になりたいと思っています。だからこそ、彼女たちと出会った時には、何とも哀れな気持ちになってしまうのです。

あの性格が直ることはきっとこの先もないのでしょう・・・。その持ち前の性格の悪さで、人生をくすんだ色のまま過ごしていくことに、一番の哀れみを覚えてしまうのだから。

ナイーブな私に勇気をください

  1. TK1979 より:

    ちゃんと性格の悪い人を読んで

     確かにそのような方と人生で、幾度となく出会ったと思います。
     私も感じたのは、この方は変わらないだろうなと納言さん同様感じました。
     どうなんでしょう、なんか自分自身を守るのに必死のような印象を受けます。もし、誰かの悪口を言わなければ、自分に矛先が向いてくると思っているようにも取れました。
     最大限、自分自身の自信のなさを癒してくれる方法が悪口のようにも取れ、なんとなく切ないような、誰も貴方のことは悪く思っていないよと伝えたい気持ちにさせます。
     しかし、そのような方は、弱みも知られたくないので、そんなことを伝えたら悪口の矛先が私に向くかもしれません。どの様な背景で、そのような性格になられたかは分かりませんが、なるべく受け流したい方ですね。
     ありがとうございます。
     
     

    • いつも読んでくださり、ありがとうございます。
      どれだけこちらが気をつけていても、性格の悪い人たちと出会ってしまうことが幾度となくあります。
      性格の悪い人たちにも種類があって、それぞれに「あぁ、この人ちゃんと性格悪いな」と感じてしまうことがたくさんありました。
      TKさんがおっしゃっているように、なるべく関わらずに受け流していきたいと思います。
      きっと長年培われたものは、簡単に手放しこともできなければ変えることもできません。ましてや、あかの他人がどうこうできるわけでもない。だったら最低限の会話、そして適度すぎる距離感をとりながらなるべく心をかき乱されないようにしていきたいと思います。

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