Happy Pride

保育士時代の体験談・過去のトラウマ

人生で初めてLGBTQ+のイベントに、夫と二人で参加してきました。

少し前までは自分の性自認について考えることも、LGBTQ+について深く知ろうとすることも避けていたような気がします。

どこかで「恋愛対象が男性だった私には、関係ないことだ」と言い聞かせてきました。

女性らしく振る舞うことも、性別で判断されながら生きていくことにも違和感を感じていたのに、私はそれを声に出してはいけないと勝手に思い込んでしまっていたのです。

ただエッセイを書くようになり、自分のファッションや恋愛観を語る中で「やっぱり私は、LQBTQ +に入るのかもしれない」と考えるようになっていきました。
それからもっとより多くの人たちと関わりたい、知りたいと思うようになり、今回、名古屋レインボープライド2023に参加することを決意しました。

初めて参加したイベントで

夫と二人でプライドフラッグカラーの靴下を身につけ、いざ会場へと向かいました。虹色に包まれた空間に、性別にとらわれずに自由に表現されている方々が沢山来場されていました。

きっと普段は肩身の狭い思いをされている方も、中にはいたかもしれません。

けれどもこの場所では「みんな自由に表現していいんだよ。性別なんて関係ない!恋愛だってもっと自由にしていいんだよ。ありのままの自分を受け止めていこうよ」なんて言葉が聞こえてくるような空間でした。

初めは緊張していた私たちも、その雰囲気に包まれて心から楽しむことができました。

昔の私なら、イベントに行ったとしても知らない人と話をしたり、写真を撮ったりすることも絶対にありませんでした。

けれども、自分の性について自認するようになり、考えるようになってから気持ちも前向きになってきたのでしょう。この1日で本当に多くの人と話をしたり、写真を撮ったりしました。

海外の人も多く参加されていて、夫の通訳の手を借りながら、多国籍の人と関わる時間は、今まで味わったことのない感動や前向きな気持ちにさせてくれる力を与えてくれました。

パレードに参加して

15時から大勢の人とレインボーフラッグを持ち、オアシス21を出発点に歩く大規模なパレードが行われました。

もちろん私と夫も参加しました。

日本で開催されているとは思えないほど多くの海外の方が参加されていて、「海外に来たみたい!」と錯覚してしまうような雰囲気に圧倒されました。

けれども話してみると、日本で教職をしている人や留学生、名古屋の大学に通っている人も多くいました。何より日本よりも海外の方たちの方がLGBTQ+に関心が高いような気もしました。

普段の生活ではほとんど歩かない私の万歩計は、500歩を越えることも至難の業です。それくらい基本家にいるときは、行動範囲が狭く歩いていません(笑)。ただ今回はかなりの距離を歩いたので、普段の私からは想像もできない脅威の歩数だったのです。

道路の片側を規制して、旗を持ち歩いている姿は見方によっては異様だったかもしれません。

けれども沿道から同じ旗を持ち、「頑張れ〜🌈と声をかけてくれる人、手を大きく振ってくれる人もいました。こういう活動が少しずつ、認知につながるのかと思った瞬間でもありました。

イベントを終えて

長い距離を歩きオアシス21に戻ってきた時には、さすがに疲れもピークに来ていましたが、とても心地のいい疲れだったと思います。色々な人と交流できた1日、そして直接声をかけて話をした経験は、今まで味わってきたどんな感情とも違うように思いました。

丸一日外にいることも滅多にない私ですが、時間も忘れてしまうほど楽しい1日となりました。

全てのショーを見終わった後、帰りがけにインスタグラムのフォロワーさんからメッセージが来ていました。

「さっき納言ちゃんを見たよ!パレードでお迎えしたんだよ」

実はパレードのゴールの場所に、参加者の方や関係者の方が「おかえり!!」と言って、ハイタッチと共にお出迎えをしてくれていました。その中にフォロワーさんの︎︎ ︎︎ ︎︎‘’のぶやんさん”もいたことをDMで知ったのです。

あまりの驚きと嬉しさに返信をし、「もしかしたら会えるかもしれない」と期待を込めて探すことにしました。

のぶやんさんは蛍光の黄色Tシャツを着ていたと教えてくれたので、夫と二人で「いるかな、会えるかな」なんて話しながら探していました。

しかし、見つけることができずに諦めて帰ろうとした時、夫があるグループを見つけたのです。

「ねえ、もしかしてあの人じゃないかな?ほら!ストーリーに写ってた髪型と同じような気がするんだけど」

「えっ!?本当に?うーん、違う気もするけど。えっ、どうしよう・・・」

「僕が声をかけてくる!絶対あの人だよ」

「あのすみません・・・。のぶやんさんですか?」

「ああ!!!納言ちゃん!会えた!!」

とうとう私たちは、のぶやんさんに会うことができたのです。すごく嬉しそうに喜んでくれて、話しているうちに、のぶやんさんは目に涙を浮かべながら「本当に会えてよかった・・・。こんな嬉しいことはないよ」と泣いていました。

その言葉を聞き、私も夫も同じように目頭が熱くなる思いをしました。

こうしてSNSで繋がり、実際に会えたことで新たな感動が生まれました。こんな素晴らしい出会いがあるんだなと、改めて感じることができたのです。

最後に

今回のイベントは、私の友人が教えてくれました。

彼女とはつい最近、7年ぶりに再会を果たし、昔以上に仲を深めるようになりました。実は私がLGBTQ+であることも、密かに感じていたそうです。

初めてカミングアウトした時「なんとなくそうかなって思ってたよ。でも別にいいじゃん。性別なんて関係ないよ。どんな姿だろうと、誰を好きになろうと自由なんだから」と言ってくれた一人でもあります。

私が今まで自認できなかった1番の理由は、付き合ってきた人が全員男性だったからです。LGBTQ+のこともあまり知らなかったからこそ、「恋愛対象が男性だった私は、その中には入れない」と、言うことさえもためらっていました。

けれども私のように、恋愛対象がたとえ異性だったとしても見た目や考え方に違和感を感じている人もいると思います。

女性だから、男性だからと性別にとらわれる生き方に、息苦しさを感じている人もいると思います。

私がそうだったように。

しかしイベントに参加したことで、「性別にとらわれない生き方は間違っていなかったんだ。私は私の心の中に決めた信念の上で生きていこう」と思えるようになりました。

だからと言って「私はこうだから!」と誰かに意見を押し付けたりはしたくないのです。受け止めて欲しいと思う気持ちは、とても大切だと思います。けれども、人それぞれに考え方があって価値観があるのだから。

一方の意見を押し付けてしまえば、理解ではなくエゴになってしまう。

だからこそ、理解ではなくまずは知ることが理解につながる第一歩だと思うのです。

どんなことだって片一方の意見だけを聞いていたら考え方は偏ってしまうはずだから。

ただこれだけは知ってもらいたいのです。

多様性と言われてきた今の時代でも、見た目が違うだけで冷たい言葉を平気で投げかけてくる人がいる。

自分と違う考えを持っている人を否定する人もいる。

誰だって自分自身を否定されたら嫌な気持ちになるんです。

容姿を馬鹿にすることも絶対にあってはなりません。

ただLGBTQ+という言葉を使って、男性が女性の格好をして、女性が男性を装って性犯罪を起こす人が少数ですがいるのも事実です。ただそれはあくまでほんの一部の人だということを忘れないでほしい。

本当に性別や見た目に悩んでいる人、恋愛の仕方が受け入れてもらえない人、そういう人が周りの目を気にして、自分の気持ちに嘘をついて社会の中に溶け込もうと必死に生きていることも忘れないで欲しいのです。

誰一人として、自分以外の人を、誰にも迷惑をかけていない人を、傷つけていい理由なんてないんです。

それこそ、考えを捻じ曲げたエゴだと私は思います。

自由に恋愛したっていい。

自由に性別にとらわれずに生きたっていい。

ある程度の社会のルールの中では、全てを自由にすることは難しいかもしれません。けれども誰を愛し、どんな見た目で生きようとも、それは自由だから。

どんな格好をしようとも、どんな恋愛をしようとも、それを他人の物差しで決めては絶対にいけないということを。

自分と違う価値観の人に「あなたの考えは、生き方は間違っている」と否定することは、知ろうとすることよりも簡単で最も愚かなことだと思います。

誰だって自分という存在を否定されることは、1番辛いはずだから。

多様性という言葉がなくても、誰しもが自由に表現できる世界になることを、心から願っています。

そして何より、全ての人が自由に誰かを愛し、隠すことなく堂々と生きていけるようになることを、私は心の底から祈っています。

全ての人に愛を

全ての人に自由を

何にもとらわれずに堂々と生きていられるように・・・。

ナイーブな私に勇気をください

  1. ひまわり より:

    納言ちゃん♪

    こんにちはのぶやん♪と一緒に踊っていた仲間で ひまわりと言います。
    旦那様が「のぶやんさんて方いますか?」って聞いてくださった者です。

    のぶやん♪が納言ちゃん♪の記事をシェアしてくれました。
    ここ数日バタバタ忙しくやっと落ち着いて読ませて頂きましたよ。

    私はアライと言う言葉や
    OverTheRainbowの歌がLGBTQ+の方々にとって意味のある歌だとかも
    今回のレインボープライドを体験して
    初めて知りました。

    私は興味が無いのではなく、
    性別より地球人、宇宙人みたいな感覚の方が強いので人間としかみてないのだと思います。

    年齢的にも恋愛より人間愛の方に興味があります。

    今回の事を書くにあたり、
    言語化する事で嫌な思いをさせてはいけないと自分を指す言葉を探していて
    “アライ”と言う言葉と出会いました。

    そして、アメリカでは58程のLGBTQ+の方々が居られること、
    言葉によっては嫌な気持ちにさせてしまうこともあると言うことなど
    まだまだ少しですが知ることが出来ました。

    私は人間として見てるからいいや
    では無く、
    違う国の人の事を知る様に
    その国の習慣や言語を知ろうとする様に
    見識を深めたいと思いました。

    そう思うと、知る事の怖さも出てきましたけどね。
    人って面白いですね。

    人の気持ちはどんな方の事でも、
    理解できるものでは無いと思っています。
    だからこそ、知らない事を少しでも知る事、人として接する事はこれからも続けたいと思います。

    記事を読ませて頂き、何を書けば良いのか分かりませんがコメント残したく思いました。
    ありがとうございます。

    • オリエンタル納言 オリエンタル納言 より:

      ひまわりさん!読んでくださりありがとうございます。あの時声をかけていなかったら、こうしてのぶやんのことを書く機会も、そして新たな繋がりに出会えることもなかったと思います。LGBTQ +は、認知が高まっているようで、まだまだ知られていない部分や、悩みを抱えている方も多くいらっしゃると思います。今回のイベントを通して知る機会となり、その先にある本当の理解へと繋がっていくのかなと、イベントに参加しながら改めて感じることが出来ました。
      知らないことも「知らないから関係ない」と見ようとしないのではなく、「どんなことをしているんだろう。どんな気持ちを抱いているんだろう」と知ろうとする姿が何よりも大切ですよね。
      皆さんのパワフルな力と、周りを明るく照らす太陽のようなエネルギーは本当に素晴らしいと思います
      これからの活動も、応援しています。
      素敵なコメントを本当にありがとうございました。

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