究極の二択〜あぁ、人って変わらないのね

保育士時代の体験談・過去のトラウマ

今の職場に来てから半年が経ち、ワタシはというと体調は徐々に悪くなり、かつての保育園時代の頃とあまり変わらない体重まで落ちてしまいました。

世間でも保育士がいかに大変で闇深いかが知れ渡りつつある今、ワタシの職場もあらゆる種類の勝手な人たちが存在していて、その度に心を疲れさせていきます。

それでも職場の中で仲良くしてくれる先輩や同僚がいて、慕ってくれる後輩なんかもできて、仕事内容的には前よりも大変ではない。

けれども何がそれほどまでに心を疲れさせてしまうのか・・・。

それはやっぱり、身勝手な人たちの身勝手な行動と言葉だったのです。

気がつけば約2年の歳月をかけて戻した体重はあっという間に減ってしまい、鏡を見るだけでもうんざりしてしまいそうな姿へと変わってしまったのです。

後輩のあの子

ワタシには1人、仲のいい後輩のような存在の子がいます。

その子は途中入社したのですが、仲を深めるまでに少しだけ時間がかかりました。

距離を縮めて以降は、仕事の話やプライベートの話もよくするようになり、仕事上でもたくさん助けてもらっていました。

保育以外の雑用も私たちの仕事であり、その雑用の多さが保育士は半端じゃありません。

あらゆるところに気を配り、そして職員みんなで協力して助け合っていかなければならない。

そんな時に彼女は声をかけてくれて、「納言先生!お手伝いします」とか「こっちやっておきますね」と、気配りをよくしてくれました。

1人でやるには少々大変なことも、こうして声をかけてくれて助けてくれることでずいぶん楽になることも多くある。その手が届きそうで届かない部分を率先してやってくれていたのが彼女なのです。

しかし、ある日を境に彼女は園に来られなくなってしまいました。

頑張り過ぎて

仕事に一生懸命だった彼女は、色々なところに気を配れる分、きっと心も体も知らず知らずのうちに疲れてしまったのかもしれません。

少しずつ表情が暗くなり、見るからに疲れている様子が増えていきました。

心配して声をかけると、「まだ大丈夫です」と力無く笑う姿に胸を痛めながら、ただ見守ることしかできませんでした。

彼女と仕事をした最後の日、いつもと明らかに表情は違って今まで以上に暗く、そして疲れているような表情を見せていたのです。

(頑張り過ぎていないかな・・・大丈夫かな)そんな風に思っていた矢先に、彼女は職場に来られなくなってしまいました。

身勝手な行動が

この園にもかつての鬼や妖怪たちのように身勝手で自己中心的な人たちが数名います。

自分の私利私欲のために相手の気持ちも考えずに発言する人。

好かれたいがために誰にでも八方美人の上、さらに嘘までついて自分の立場を守ろうとする人。

そして傍若無人な態度をとり続けて、機嫌のいい日と悪い日の態度が明らかに違い、周りに負担をかけてくる人。

それぞれの身勝手さが最悪な形で混ざり合い、そして彼女にも、他の職員の人たちにも影響を及ぼすことも多くありました。

もちろんワタシ自身もその被害者であり、時に嘘をつかれて立場を危うくされかけたり、見えるところで悪口を言われたり、関係のないところで不機嫌になられて様子をうかがいながら働いたりと神経を使いながら仕事をせざるを得ない状況になっていました。

もう少し適当にあしらいながら「まぁ、こんな人もいるよね」と思えればよかったのですが、「こんな人もいるよね」では済まされないほどの影響力に、ワタシもそして後輩の彼女も疲れを感じていたのかもしれません。

会えなくなって2週間

彼女が休むようになってからあっという間に2週間が過ぎ、職場で会えることはほとんどありませんでした。

たまに「午前中だけ来ていたよ」という話を聞くことはあっても、ワタシ自身が15:00からの勤務なので、結局直接会うことはできず、たまにLINEでやり取りをしながら近況を報告しあっていました。

ただどれだけ私たちが互いに励まし合い、寄り添いながら一緒に心と体を落ち着かせようとしていても、職場の身勝手な人たちにはその気持ちが届くこともなく、彼女がたまに出勤した時には、「どうして休んでいたの?何が原因なの?」と根掘り葉掘り詮索しようとする人がいて、なんとかして秘密を握ろうとしてきたこともあったそうです。

その時からもうすでに、(あぁ、人って何も変わらないし、自分の身勝手な行動で心が壊れてしまっていることに気づいていないんだなぁ)と思うしかありませんでした。

絶句

そんな生活が続いたある日、ワタシは免疫力が落ちているせいもあって、風邪をひいてしまったのです。

今までこんなに頻繁に風邪をひくことはなかったのですが、疲れと食欲不振のせいで体力が落ちて仕事を休むことになりました。

ただ、彼女はワタシと入れ違いで仕事に行くことができたそうです。

ワタシが家の中で鼻水と格闘し、ティッシュで何度も鼻を拭いているところにLINEが入ってきました。

そこには、「今日は久しぶりに出勤したんですが、やっぱり体も心も辛いです。そしたら園長が掃除をしている時にやってきて、『話聞いてほしい?それともそっとしてほしい?』って言われて・・・」と。

ワタシはその文面を見て、絶句しました。

とても寄り添うような言葉ではなく、どことなく上から目線で寄り添うようなフリをしているのが透けて見える言い方だったのです。

そして心の底から思いました。

(あぁ、人ってどこまで行っても変わらないんだな)って。

彼女は勇気を出して、「そっとしてほしいです」と伝えたそうです。すると園長自身は「そっか!わかった」と物分かりの良い人を演じながら別の場所へと向かって行ったそうです。

なぜ気づかない?

もしも普通であれば、声をかけてもらったことでフゥッと肩の荷が降りることもあるでしょう。けれども、彼女のしてきた行動がその言葉を全て台無しにしていることに、なぜ気がつかないんだという気持ちでいっぱいになりました。

園長の行動のせいで、周りの人たちが迷惑を被っていることをワタシもあらゆるところで目にしてきています。それは何も保育士だけではなく、子どもたちにも影響を及ぼしていることさえありました。

朝から不機嫌な感じを出しながら園に出勤してきたり、帰りも不機嫌アピールをしながら挨拶も適当に帰っていくことがありました。

かと思えば、人には注意することを自分は平然と行い、仕事もせずに話に夢中になり、大変で面倒なところは周りの人たちに押し付けることさえあったのです。

そんな姿を毎日朝から目の当たりにしていたら、どれだけ正常な人でもおかしくなってしまうかもしれません。

小さな部屋の中で小さな派閥ができて、いつ誰がボロを出すのかを虎視眈々と狙っている人もいる。そんな状況下では仕事をする前に心が壊れてしまうでしょう。

それでも職場の身勝手な人たちは自分の間違った行動に気づこうとはしません、いや、気づくことができないのでしょう・・・。

狭い社会だからこそ

保育士になってあらゆる大人の汚さを見てきました。

あれだけ可愛らしい存在と関わっている素敵な職業にも関わらず、大人の汚いところがあらゆるところで見え隠れしてしまうのが保育士の世界です。

もしかするとどこかに、子どもたちと純粋に楽しく関わり、一緒に成長し合える環境があるのかもしれません。

けれどもワタシは、そんな環境で働けたことは一度もありません。

それどころか様々な種類の種類の身勝手さにさらされながら働いてきました。

狭い社会の中だからこそ、そして女性特有の環境だからこそ普段経験しないようなことが巻き起こってしまうのかもしれません。

そして何十年も人間をやっていたら、そう簡単に性格そのものを変えることはきっとできないのでしょう。

ワタシは思うのです。

たった数人の人間たちの行動は、時に人の心を簡単に壊すことができてしまう。けれども、その当の本人たちが無自覚だからこそ、負の連鎖は何年にも渡って続いていってしまうのではないでしょうか。

その連鎖をどこかで断ち切らないことには、保育業界が変わることはこの先もきっと難しいと思うのです。

ワタシは保育士という仕事が大好きです。

子どもたちと関わり、あらゆる発見をしながら一緒に成長できることに誇りを持っています。

子どもたちのために、そして自分自身が純粋にこの仕事を楽しみながら関わることは、この先も難しいのかもしれません。

変わることの出来ない身勝手な人たちが、大勢残り続けている今の現状では…。

ナイーブな私に勇気をください

  1. TK1979 より:

    究極の二択···を読んで

     納言さんのお勤めの現場の実態がリアルに感じとられ、私も絶句しました。
     他人さまが変わらないなら自分自身が変わるしかないのでしょうか。
     納言さんの体調が気になるところです。
     私は通算4年にわたり、うつを発症しました。4年の間に二度復帰しましたが、一年も経たないうちに再発を繰り返しました。
     最終的に主治医の先生が、
    『今の仕事がすべてではない』
    と助言していただき、人と関わらない仕事(生産業)に転職を決意して、現在に至ります。
     どうか納言さんも、休むのも仕事と考えお体を大切にして下さい。
     ありがとうございます。

    • いつも読んでくださり、ありがとうございます。
      最近ではあまり体調もよくなく、無理をしながら働いている状況でした。
      自分のためではなく、目先のお金のことを不安がり、社会の中で生きていけないことに虚無感と喪失感を覚えるようになってしまいました。
      けれども、それは何ひとつ自分のためになっていないこと、そして仕事のために生きるのではなく、人生を楽しむためのに仕事をすることを忘れていました。
      これからの未来がどうなるのか今はわかりませんが、TKさんのおっしゃる通り、休むのも仕事と思って自分の時間を大切にしてみようと思います。
      いつも寄り添ってくださり、本当にありがとうございます。

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