リクエスト企画「ネガティブさんとの出会い」

コラボ企画

今回リクエストでいただいたテーマは、度々ワタシのエッセイに登場してくれている「ネガティブさんとの出会い」です。

文章の中での架空の人物ではありますが、彼には私生活で何度も心を救ってもらったことがありました。

変化に気づき、その時の本心を言葉で伝えてくれる頼もしい相棒のような存在かもしれません。

そんなネガティブさんについて、今日は書いていこうと思います。

「いかに俺がすばらしいヤツか、ちゃんと書いてくれよな」と言われそうなので、真剣に書いていこうと思います。笑

それでは、スタートです。

小さなクローゼットの中で

ネガティブさんとの出会いは、ワタシが小学生の頃までさかのぼります。

当時のワタシは友人と呼べる人が1人もいませんでした。楽しい話をする相手もいなければ、同級生たちもワタシと関わることを避けていました。

「アトピー星人」と呼ばれ、落ちたものを拾ってもらえないことがありました。

話しかけようとすると「お前は来なくていい」とか「あなたは友だちじゃないから」そんな言葉を嫌というほど聞かされてきました。

その記憶は今でも脳裏に強く焼きついています。どうやって話しかけたら仲良くしてもらえるのか、同じように人として接してもらえるのかをすごく悩んでいました。

子どもの世界は残酷だから、どれだけこちらが仲良くしようと試みても、全て裏目に出てしまっていたんです。

悲しい想いをした時には、家に帰り、1人クローゼットの中で泣きました。

帰りが遅い両親を待っている間の、ひとりぼっちの部屋はとにかく広く感じていたから。

突然現れた架空の友だち

ある日いつものようにクローゼットの中に入り、スカートがぐしゃぐしゃになるまで泣きました。

理由はとても些細なことだったんです。お気に入りのスカートを履いていたワタシに、「お前はぶりっ子で、スカートなんて似合わない」と言い放った相手がいました。

その言葉が忘れられなくて、お気に入りのスカートを履いたまま泣くことしかできなかったんです。

「どうしたんだい?そんなにメソメソして」

「悲しいことがあったの・・・。ぶりっ子の意味がわからないの。ワタシがスカートを履いていることは、おかしいことなのかな」と、たった1人の部屋で声をかけられているにも関わらず、普通に会話をしている自分がいました。

「そうだったのか。それは悲しいことを言われたな。そいつはただ馬鹿なだけさ。気にしなくていい。くだらないことを言ったヤツは、悲しい奴だよ。人の気持ちがわからないんだから」

「人の気持ち?」

「そうさ。言われて嫌な気持ちになるってことが分からないヤツのことを言うんだ。気にしなくていいよ。いつか痛い目に遭うはずだから」

「そうかな・・・」

「そうだとも!気にするな。堂々としていればいいんだ。俺だって名前はネガティブっていかにも辛気臭い名前なのに、考え方はいつだってかっこいいんだぞ。自分に自信を持つんだ。人の言葉に流されちゃいけないよ」

そう言って、ネガティブさんはいつの間にか消えていました。

けれどもこの時、言われたことの方がショックだったワタシは、お気に入りのスカートをそっとゴミ箱に捨ててしまったんです。

負の感情と共に・・・

それからというもの、ネガティブさんはワタシが落ち込んだり、悲しみを抱えている時に現れるようになりました。

そしてどんな時でも、カラッとした性格の彼ならではの言葉を贈ってくれたのです。

落ち込んでいる時には「そんなこと気にするな。お前さんには、無限の可能性があるんだぞ」と言ってくれました。

自暴自棄になって周りが見えなくなってしまった時は「シャキッとするんだ!悩んでいても解決しないことの方が多いんだ。いつまでも後ろばかりを振り向いていたら、前に足を出すやり方さえも忘れちまうんだ。逃げるな。自分の気持ちから」そう喝を入れてくれました。

その言葉に時には励まされ、時には勇気をもらいながら、なんとか踏ん張ってこれたような気がします。

全ての言葉は、多くの愛で

ネガティブさんはワタシの架空のキャラクターです。そして彼がくれた言葉たちは、過去に寄り添ってくれた人たちの言葉を文章として登場させています。

小学生の頃は本当にひとりぼっちで、架空の世界に逃げることもよくありました。言って欲しかった言葉を思い浮かべて、子どもながらに自分自身に語りかける時もありました。

それがネガティブさんとの一番初めの出会いだったと思います。

今でこそあらゆる人の言葉を借りて、時には支えてもらい、助けてもらいながら前を向けるようになりました。

それでも時には後ろを振り向きたくなることがあるんです。

自信を失って、大きな殻に閉じこもろうとしてしまう時だってある。

そんな時はまた彼に言われるんですけどね。

「後ろばっかり振り向くな。もう小学生の頃のお前さんじゃないんだぞ。手を差し伸べてくれる人のことを見るんだ。声をかけてくれる人の言葉をよく聞くんだ。周りの意見なんて気にしなくていい。そいつらに人生を背負ってもらうつもりかい?そうじゃないだろ?自分の人生は自分自身で選べるんだ。だから本当に大切な人たちと歩くことだけを考えろ。笑顔でいたいなら、前を向く勇気を持つんだ。お前さんならそれができるはずだから」そう喝を入れてくれながら。

ナイーブな私に勇気をください

  1. TK1979 より:

    ネガティブさん···を読んで

     おはようネガティブさん(笑)

     ネガティブさんは、古くからのお付き合いなんですね。笑
    『あなたは一体誰なのか』を再読してみました。ひょっとしたら、お姉さんとネガティブさんは兄妹かなぁ。
     一見架空のキャラのようですが、納言さん自身が知らない自分自身でしょうね。
     今回、古いお付き合いということで、より確信に近づきました。笑
     人の体は不思議で、右手を動かそうと意識が認識するコンマ数秒前に脳から右手に信号が送られるそうです。そのつじつまを合わすように、意識が右手を動かそうと認識するそうです。
     すごいですね、意識より前にですよ。
     そんなことを考えると、納言さんの意識が認識するコンマ数秒前に思ったことがネガティブさんとして具現化し、意識に語りかけきている。
     すなわち、
    『わたしの知らないわたし』
    ことネガティブさんですね。
     そんなこと考えながら読んでると、楽しくなります。あ、失礼しました。
     ありがとうございます。

     

    • いつもコメントをくださり、本当にありがとうございます。
      感想を読みながら、「ワタシの知らないワタシ」は、ネガティブんさんなのかもしれない。そんなことを思い出させていただきました。
      エッセイを書いている身でありながら、こうしてまた感想をいただき、新たな自分を知ることができたような気がします。
      独りぼっちだった頃に、なんとか自分を助けたい一心で出てきてくれたのが、彼らなのかもしれません。
      そんなことを気づかせていただいたコメントでした。
      ありがとうございました。

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