リクエスト企画「ほのぼのした話」

コラボ企画

今回のリクエストは、「ほのぼのした話」です。

実は最近とっても、ほのぼのと心が温かくなる体験をする機会がありました。

まさにもってこいのエピソードだと思ったので、書いていこうと思います。

それではスタートです!

約2年ぶりの社会復帰

実はつい最近、単発で託児のアルバイトをする機会がありました。

少しずつ体調が良くなってきたので、暇があるとバイトを探すことが増えていたのですが、そんな時に知り合いのところで3時間だけ働くことになったのです。

約2年間働いていなかったワタシは、仕事の前日はとてもドキドキしながらも、楽しみな気持ちの方が勝っていたんです。

「どんな子に会えるんだろう」とか「何をして遊ぼうか」そんなことを考えながら、仕事に着ていく服を準備して、カバンにはエプロンを詰めて、準備万端な状態で眠りにつき、次の日を迎えることにしました。

バイト当日

美容院の一角にある託児スペースで保育を行うことになっていたので、少しだけ早く現場に着くと、知り合いの方が「納言先生、今日はよろしくお願いします」と挨拶をしてくれました。

「先生」と呼ばれること自体が本当に久しぶりだったので、嬉しくもあり、懐かしい気持ちになったんです。

そして託児室の隣にある美容院に向かうと、そこにはまだ2歳になったばかりの男の子がお母さんと一緒に待っていました。

「すみません。今日はよろしくお願いします」

「よろしくお願いします」と軽く挨拶を交わし、2人きりの時間がスタートしました。

3時間の中で

初めこそ泣きそうになっていたのですが、一緒にテレビを見たり、遊びながら声をかけたりしながら3時間過ごしました。

時には外に散歩に出かけたりもしましたが、その時にはピンク色の花を見て指さしをして興味を示し、必死で何かを伝えようとしていました。

小さな体で初めての人と2人きりになっていること自体が不安なはずなのに、泣くこともなく、最後まで笑って過ごしてくれたのです。

一番驚いたことは、テレビの隣にあるビデオデッキのスイッチを、自ら椅子を持ち出し登りながら必死で押そうとしたり、リモコンのスイッチを押しながらテレビをつけようとしたり、色々なことを自分からやろうとする姿が見られたことでした。

手伝おうとすると「ヤッ!」と怒っている姿も、本当に可愛かったです。

(あぁ、この子は今自分で色々なことに挑戦したいんだな)そう思い見守りながら、保育士をしていた頃を思い出す瞬間が何度もありました。

悲しいけれど、お別れ

あっという間に時間が来てしまい、3時間の保育は終わってしまいました。

最後には「またね」とハイタッチをしてくれて、ニコニコで帰ってくれたところも本当に心が癒やされたのです。

保育の仕事は、もう二度と経験できないものだと思っていましたが、改めて「ワタシは、保育士が好きなんだな。子どもと関わっている時が、本当に幸せだと感じるんだな」と思いました。

それくらい、幸せで貴重な体験をこの無職の時にさせてもらえたような気がします。

働かない間、ずっと社会の中に入れないことに不安を感じ、そして負い目も感じていました。それが久しぶりに関われたことで、少しだけ肩の荷が降りたような気がするのです。

この先どうなるかはわかりませんが、ようやく本当の意味で前を向き始めたのかもしれません。

辛い経験を、悲しい過去を、小さな男の子が救ってくれたかのように・・・。

 

 

ナイーブな私に勇気をください

  1. TK1979 より:

    ほのぼのとした話を読んで

     辛い経験、悲しい過去

     私は保育士が好き

     子供と関わる時が本当に幸せ

     社会の中に入れないことに不安負目

     納言さんの保育士時代のことを続ったエッセイは、色々と拝読させていただきました。
     今回のエッセイで気になった言葉4つを前段に書かせていただきました。すごく心に残ったと言うか印象的に感じました。
     実在、私が経験したのではなく、エッセイを通じて得たことなので、リアルな経験とは程遠く、また計り知れないことと思います。
     エッセイの内容を整理、整理して行けば、この4つの言葉にたどり着きました。何かが隠れているような気持ちになり、何度も読み返してみました。
     更に今一度、過去のエッセイも読み返してみようと思います。
     そんな暗中模索の感想ですが、私には、また新しいエッセイを読む気分で再読の世界に旅立ちます。
     ありがとうございました。

    追記 取材、製本されるの楽しみですね。

    • いつも読んでくださり、本当にありがとうございます。
      そして保育士時代の出来事は、今でもワタシの大切な思い出として心の中に残り続けています。辛い経験も多くあった中で、それでも子どもたちに、そして保護者の方々にたくさん救われてきました。
      もしも保育士をしていなかったら、今とは全く違う考え方を持ち、そして文章を書くことすらしていなかったと思います。
      辞めてからも、色々な形で子どもたちと会う機会があったり、時には手紙をいただいて、まだ「先生」として過ごさせてもらっています。
      こうして文章に書くことで、時には自分を励まし、時には感謝を伝えているような気がします。
      ただ今でも「保育士を続けていたら・・・」と思う気持ちが、たまに顔を出してしまうこともあります。
      どうしても、全ての気持ちに整理がついていないような気がします。
      だからこそ、こうして文章にして、一つひとつの出来事に対して整理をする作業をしているのかもしれません。
      それが今できる、ワタシなりの向き合い方だと思うから。

      そして、追記をありがとうございます。
      こうして独りよがりで始めたことが、少しずつ現実味を帯びていく感覚に嬉しく思っています。今のワタシがあるのも、こうして文章を読んでくれて、言葉を残してくださる方がいるおかげだと思っています。
      本当に、いつも素敵な言葉をありがとうございます。

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