リクエスト企画「名前の由来」

コラボ企画

今回のリクエストは「名前の由来」についてです。

誰しも名前には由来があって、両親が想いを乗せてつけられたと思います。

そしてワタシの名前もまた、同じように想いが込められていたらいいのですが・・・。

ということで、スタートです!

ある日のLINEで

ワタシがこの「オリエンタル納言」という名前に出会ったのは、今からもう8年ほど前のことになります。

当時のワタシは幼稚園を辞めたばかりで、毎日暗いトンネルの中にいるような日々を過ごしていました。

きっとその姿を見た人たちは、「生きているように見えて、心は死んでいるのだろう」と思うほどに、精神が崩壊していました。

誰かと会うことが怖くてたまりませんでした。

外に出る勇気もありませんでした。

そんな時に、ある友人から連絡が来たんです。

「久しぶりにさ、外に出てみない?カフェでお茶でもしながら気分転換しようよ」と。

その文章を読んだ時、行きたい気持ちと行けない気持ちの両方で揺れ動いていたと思います。

久しぶりの外を感じて

しかし、いつまでも家に閉じこもっているのも良くないと思い、友人には「行きたい」と伝えることにしました。

場所は、何度か訪れたことのある山の中にあるカフェにして、集合時間を決めて、一緒に目的地まで向かうことにしました。

向かっている道中はいつも通り話をしたり、たわいもない会話に花を咲かせることができました。一人でいる時には考えてしまうよからぬことも、彼女と一緒にいると少しだけ消えてくれたような気がします。

目的地に着いて車から降りると、自然の香りが鼻を通り抜けて、新鮮な空気がしっかりと入ってくるような感覚になりました。

(息苦しさから解放されてるみたい・・・。久しぶりに空気をちゃんと吸ってる気がする)そう思ったんです。

窓際の席で

案内された場所は、大きな窓に二人掛けのソファがある席でした。

「保育士をまだ続けたいって思う?」

「・・・どうだろう。自分でもわからない」

「そっか。私はね、ずっと言ってると思うけど、あんたはきっとこの先とんでもないことをやると思うんだよ。広い世界に出てさ、私が経験しないようなことも経験するくらい、魅力的な人だよ。保育士も確かに大切な夢だったと思う。でもね、きっとこの先、あんたは面白いことになるよ。絶対にね」

「面白いことって?」

「それは私にもわからないけど、こうやってウジウジ考えて閉じこもった生活じゃなくなるってことだけは確かだね。今は家の中での狭い世界しか見えていないでしょ?違うんだよ。もっと世界は広いし、もっと楽しいこともたくさんある。そしていつかあんたは、その広い世界に自分から足を踏み込んでいく力があるってことだよ」

そう言われたところで頼んだご飯が運ばれて来ました。

新たなワタシが生まれた時

少しだけ言われたことについて考えていたら、「早く食べないと冷めちゃうよ」と言われ、考えることをやめました。

するとまた突然、「あんたは服が好きで、お洒落で自分の世界観を持ってるよね。それでもって、顔は平安ぽいよね。なんか納言って感じする」

「平安ぽいって何?笑」

「なんだろうなぁ。こう、平安時代の美人というか、でも完全な平安じゃなくて、ほら、あの・・・あっ、そう!オリエンタル!オリエンタルな雰囲気があるよ」

「オリエンタル?なんじゃそりゃ。そしたらワタシはオリエンタルな納言ってこと?」

「あっ!いいじゃんそれ。オリエンタル納言って芸名みたいだし。もしも何か始める時は、その名前で活動したらいいじゃん!」

「待って待って。ワタシがオリエンタル納言だとしたら、あんたは何になるの?」

「そうだなぁ。納言に合わせたら・・・やっぱり殿か」

「じゃあ、今日から名前は殿だね」

「オリエンタル納言と殿。まさに平安じゃん」

そんな適当な感じで、ワタシは彼女のことを「殿」と呼ぶようになったのですが、彼女は特に「オリエンタル納言」と呼ぶことはありませんでした。

エッセイを書き始めて

それから数年が経ったある日、ワタシはましゅぴと出会い、彼がきっかけでエッセイというものと出会うことになります。

ふと昔の会話を思い出し、ペンネームを一から考えるのも面倒だったワタシは、「いっそ、オリエンタル納言がペンネームでいいか」というなんとも安易な考えでつけてしまったのです。

エッセイを書き始めた頃はまだ、読者と呼べる人もおらず、友人や彼にエッセイを読んでもらうことで文章に慣れていく作業をしていました。

その姿を近くで見ていた殿は、ワタシがエッセイを始めたことを心から喜んでくれたんです。

そして少しずつ読者が増えるたびに、新しく何かを始めるたびに、いつも同じ言葉をかけてくれます。

「納言は小さな世界にとどまってる人じゃない。この先の人生はきっと面白いことになるんだから、自信を持ってやり続けな」と。

そして弱気になっている時には、「へこたれるな!やり続けてもないのに、まだ何にもなってないのに簡単に諦めるな!読んでくれる人が一人でもいるなら、書き続けるのが納言のできることでしょ!負けるな!」と怒られるんです。笑

名前に想いを込めて

このペンネームは、本当に偶然できたものでした。むしろ遊びの延長線上で勝手に出来上がったものだったので、それこそ由来と呼べるような立派なものはほとんどありませんでした。

しかし、少しずつ文章を書くようになり、色々な方に「納言ちゃん」「納言さん」「オリナゴ」そう呼ばれるたびに、少しずつこの名前に意味が与えられていくような感覚になっています。

そしてつい最近、また新たな意味を発見することになったのです。

オリエンタルOrientalは、「東洋、東洋的」という意味合いがあります。その反対の意味がオクシデンタルOccidental「西洋、西洋的」です。

このオクシデントには、もともとラテン語で『太陽が落ちる所』という意味もあるそうです。

オリエンタル(オリエント)にはその逆で『日が昇るところ』という意味があるそうです。

かつて暗いトンネルの中を何度も彷徨い、もがき続けてきたワタシですが、ワタシと同じように辛い気持ちを味わって人たちに、そして暗いトンネルの抜け道がわからなくなってしまった人たちの道標になるように、これからも文章で寄り添っていきたいと思うのです。

太陽が昇るように、暗く見えなくなってしまった道を照らしていきたいから。

ナイーブな私に勇気をください

  1. TK1979 より:

    名前の由来を読んで

     私は、ちょっことだけ知っていましたよ。 
     オリエンタルと納言を直訳(笑)すると、
    『日か昇るところの平安美人』
    でしょうか。本当に納言さん、平安ぽいか調べてしまいましたよ。笑
     全部羅列するのもいかがなものかですので、ひとつだけ、いや、止めときます。
     ま、ニコニコしながら調べたと言うことで、ありがとうございます。

    • 『日が昇るところの平安美人』すごく素敵な直訳ですね!!思わず「これから使おう」と思ってしまいました。笑
      本当に冗談から始まった名前が、今では色々な方に親しんでもらえる名前になり、すごく嬉しく思っています。
      あの時の会話は、この日を見据えていたのかな?なんて思ったり。笑
      ペンネームの生みの親には、今更ながら感謝しています!

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