第2回 手話日記

オリエンタル納言日常日記

5月から始まった手話は、少しだけ不安な出発から始まりました。

元々新しいことを進んでやる冒険家みたいな性格ではなかったので、とにかく緊張していたし、1人で通うことも内心、心臓をバクバクさせながら行くことを決意したくらいです。

ただ手話を始めたきっかけは、「ろう者である子どもたちと手話を通して、会話をしてみたい!その子たちの心の声に耳を傾けてみたい」という思いから、自分でも驚くくらいの行動力で始めたのが、この手話講座でした。

市がやっている定期講座なので、どこまでやれるかなんて正直わかりません。けれども、新しいことにチャレンジをしてみたかった。

自分の殻をこじ開けるチャンスにしたかったという想いもあったのかもしれません。

色々な気持ちを持ちながら、第1回は若干の消化不良となり、第2回にはもっと学びたいと思い、第2回目の講座の日を迎えました。

実はいい人?

第1回目の時に、1人無愛想で手話講座に対して分からないことをブツブツと言っている人がいました。正直周りの雰囲気もなんだろう・・・この人)という、あまりいい印象ではなかったと思います。

そして近くに座っていた私自身も(なんだろう・・・この人。大丈夫か?)と思っていたくらいだったのです。

さらには、気になることはとことん知りたいのか、何度も何度も手話講座をやっている場所の職員に、あれやこれやを質問していました。どれだけ丁寧に説明しても、納得する様子がなく(もう、そんなこといいから・・・)と言ってしまいそうな気持ちを、グッと押し殺すのに必死だったような気がします(笑)。

とはいえ、始めたからには知らないままにしておくことも嫌だという気持ちもよくわかるから、なんともいえない気持ちになりながら、しばらく2人のやりとりに耳を澄ませて聞いていました。

しかし、第2回目の時には驚きの行動力を見せてくれたのです。

今回は、初めて机を片付けて広いスペースの中で手話をやる日でした。

早めに来た人たちで会場の設置をしたり、机を移動したりしながら協力をしていたのですが、第1回目の問題児らしき人も、進んで手伝ってくれたのです。

窓の開け方が複雑だった場所では、一緒になって開けようとしてくれたり、机や椅子も率先して移動するのを手伝ってくれました。他の人とも話している時には、笑って見せる姿に、(もしかして、本当に困っていただけだったのかもしれない)と、1回目の時に抱いた負の感情を少しだけ反省しました。

先生は明るい人

1回目の時にいた通訳さんはおらず、第2回からは、ろう者の先生と生徒の私たちだけで講座を受けることになりました。

私含めて他の生徒の方の中にはきっと、(上手く聞き取ることができるだろうか)と微かな不安を抱いた人も少なからずいたと思います。

しかし、その気持ちは先生のコミュ力の高さのおかげで、一瞬にして吹き飛ばされることになったのです。

先生はとても明るい人で、手話ではあるけれど極力私たちが分かるようにしてくれていました。時には笑いを交えながら、おどけてみたり、表情でアピールしてみたり、教室内でも笑い声が起こることも何度もありました。

「ろう者だけれど、耳が聞こえないだけで、健康で皆さんと何も変わらないんです」と初めの頃に言っていた通り、耳が聞こえない以外は何も変わりません。だからこそ先生は、同じようにふざけることもあるし、笑わせて楽しませてもくれました。

もしも、手話講座に参加していなければ、そんな簡単なことにさえ気づくことなく過ごしていたかもしれません。

初めて自分の名前を表して

第2回という事もあり、1回目よりも難易度は上がり、それぞれ手話で自己紹介をすることになりました。

もちろん、前に習っていた人もいれば、私みたいに初めての人もいます。そんな時は、先生が手本を見せて真似をして、自分の苗字を手話で表してみました。

手話にも文字と同じで成り立ちがあり、動作もその文字に合わせた動きをしました。私の苗字はとても簡単だったので、見ながら(なるほど、そういうことか)と感心しつつも、真似をするのに必死でした。

中には難しい苗字の方もいたのですが、成り立ちを知るとやっぱり、なるほどと腑に落ちる瞬間がある。何も知らずに見ていた時と、理由を知った上で見てみるのとでは、比べものにならないくらい理解の速度がぐぐぐんっと上がったような気がして、ひっそり隅の方で自分の苗字を練習していました。

その他にも、数字、色、あとはコンビニの表し方なんかも教えてもらいました。

今まで知らなかったことを知ることが、こんなに楽しいことだとは思いませんでした。

私の中で眠り続けていた探究心が、ようやく目覚めた瞬間でもあったと思います。

2時間の講座の中で

仕事をしていた頃、毎日が目まぐるしく過ぎていたので、2時間なんてあっという間でした。しかし、その間に何をして、どうしなければいけないかを考えている暇があったかといえば、難しいことの方が多かったと思います。

けれどもやりたい目標があって、学び始めた手話も同じようにあっという間だけれど、充実感に満ち溢れ「もっと知りたい!他の言葉も覚えてみたい」と思う瞬間が何度もありました。

この先どれだけのことを覚えられるか、そして私がどのように変化していくかは、まだ分かりませんが、いつかろう者の子どもたちと話せる日が来ることを夢に見ながら、第3回の手話講座も先生と共に多くのことを学んでいきたいと思います。

最後に

「ろう者も健聴者も同じ健康な人なんだよ」と教えてもらった第1回目のあの日、私はまだまだ自分の視野の狭さを痛感しました。

耳が聞こえている私にとって、聞こえない世界がどのようなものかを全て理解することは、とても難しいことだと思います。

ですが、回数を重ね始めて少しずつ先生の人柄や、明るさを知り、「やっぱり同じ人と人との関わりなんだ」と強く感じています。

だからこそ、ろう者の人たちのコミュニケーションを知りたいし、もっと新しい世界を見てみたいと強く思うことができたのだと思います。全てを理解することは難しいけれど、知ろうとすることはできる。

それはどんなことにでも通じることだと、私は思うのです。

私の手話への道は、まだ始まったばかりです。

けれども、その大きな一歩を踏み出した今、新しい何かが動き始めた喜びを感じながら、これからも楽しく学んでいきたいと思います。

いつか、本当の意味で心が通い合える日が来ることを願いながら。

 

ナイーブな私に勇気をください

  1. thanksbear より:

    たまにしか読めていなくてごめんなさい‍♀️
    素晴らしい行動力です✨
    仕事でろうの人とも直接話したいと思って習い私も少しだけ手話が出来ますが…皆さん喜んでくれます
    始める気持ちが大切ですよね
    インスタも楽しみにしています♪

    • オリエンタル納言 オリエンタル納言 より:

      読んでくださり、ありがとうございます!
      お仕事でろう者の方とお話しすることができたら、今まで見えなかったものが見えてきたり、新しい発見ができたりもしますよね☺️
      今まで関わることのなかった人たちの心の声を聞くことができる一つとして、手話というコミュニケーションはとても大切だと回を重ねるごとに感じています。
      言葉で会話することも、もちろん大切ですが、さらに世界が広がることがこれから楽しみですね!
      読んでくださり、本当にありがとうございました

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