新婚旅行で行ったフィリピンで、ワタシは一つ大きなことを学びました。
そして大人になるまで、ほんの少しだけその部分には目を背けていました。
フィリピンで出会った友人たちは、気さくで、おおらかで、そして物事をはっきりと言ってくれます。
当時はまだ、やりたいことが定まっていない時期でもあり、今後の自分の姿を想像することがあまりできませんでした。
そんな時、「ワタシは文章を書いているんだ」と伝えると、「最高だね!すごく素敵な夢だよ」と自分のことのように喜び、そして「本になったら、絶対に買うからね!」と言ってくれたのです。
日本に戻り
日本に帰国した後もあの言葉が忘れられず、何より大きな原動力になっていました。
まだ叶ってもいない夢を応援してくれて、同じように喜んで話を聞いてくれた。今まであまり味わったことのない感覚に、少しだけ自信をもらった気がしました。
それ以降、落ち込んだり悩んだりしたときには彼らに言われた言葉を思い出し、心の支えにしていたのです。
ただ日本に帰国し、仕事を始めてから時々感じることがありました。
どうやら過去にワタシがいた環境が悪すぎたのか、自分以外の人を褒めることよりも悪いところを探し、相手の評価を下げようとする人がいることに慣れてしまっていたのです。
出てくる言葉は否定的なものばかりでした。
どうしてもっといいところを見ないんだろう。
どうして職場の中で派閥を作ろうとするんだろう。
そんなことを思っても決して口にはできず、何とかその派閥の中に入らないようにすることに必死でした。
だから新しい職場でも、負の感情を目の当たりにしたときに、どうしようもない気持ちに襲われていたのです。
昔もこんな気持ちに
ふと考えてみると、フィリピンに行ったときに感じた気持ちは、かつて保育士として働いていたときにも感じたことがあったんです。
それが子どもたちと接しているときでした。
子どもたちは素直で純粋だからこそ、いいところを見つけることも、そして言葉にすることも大人よりもはるかに上手でした。
相手を陥れようとか、嫌な気持ちにさせようとかはなくて、素直すぎるからこそ喧嘩もするし、ぶつかり合ってしまうこともある。
ただ仲直りをしてからの切り替えの速さは、尊敬しかありませんでした。
彼らといる時だけは、ワタシも素直にいいところを見つけて言葉にできていたような気がします。
経験を重ねていくほどに
大人になっていくにつれてあらゆる経験をしたり、感情を体験したりします。
嬉しいことばかりではなく、大変なことや悲しいこと、ときには苦しいことも多く経験するでしょう。
少しずつ心に歪みが生じて、相手のことを考えたり寄り添ったりできなくなってしまう部分もあるのかもしれません。
ただ悲しみを多く経験した人なら、きっと傷ついた時の苦しさ、胸の痛みは誰よりもわかるはずなんです。
悪口を言われたり、陰口を叩かれたりしていい気分になる人なんていません。
黒い感情だらけの派閥に入って、毎日気分良く過ごせる人もよっぽどの性格の持ち主じゃない限りいません。
悪口を言うのも、派閥を作って仲間はずれにしようとするのも、自分自身が弱いからだと思うんです。
弱さが人を黒い感情の方へと引きずり込んでいくのでしょう。
自分にないものを見つける楽しさを
働き始めてから、3ヶ月目を迎えました。
ときには黒い感情に流されそうになる時もありますが、やっぱり一緒に働く人たちのいいところを見つけて、自分の中に取り込んでいく方が心が軽くなることを実感しています。
悪い言葉よりもいい言葉を、嬉しいときには素直に喜んで、悩んだときには誰かに気持ちを共有する。
あくまでも仕事は生活を豊かにするためにお金を得る場所だと思っています。そんな軍資金集めの場で嫌な思いばかりしていたら、いつか心は壊れてしまうでしょう。
ならばワタシは、一緒に働く人たちのいいところをたくさん見ていきたいです。
楽しい気持ちで毎日を終わり、そして保育士として、人としても成長していきたいと思っています。
もう見たくないから
かつて働いていた場所は、黒い感情が渦巻いている最悪な場所でした。今でも思い出すと不安に襲われたり、動悸が止まらなくなってしまうこともあります。
楽しかった記憶も、どんどん黒色に塗りつぶされていくような感覚にすらなっていくんです。
あの時のワタシは、嫌われないようにすることばかりを考えすぎていたから。
働いていた環境も、そして自分自身の精神状態も異常でした。
だからこそ、新しい職場では前向きになれるような環境をせめて自分から作っていきたいと思っているんです。
一人の意識が変われば、少しずつ周りの意識も変わっていくと信じて。
しかし、中にはいつまでも変わらずに誰かを傷つけることで自己肯定感を高めようとする人がいるのも事実です。
そんな人には、極力関わらずに距離をとって接しようと思います。
そしてこれからの人生では、フィリピンで出会った友人たちのように、そしてこれまで接してきた大好きな子どもたちのように、真っ直ぐ純粋に関わる人たちの素敵な姿をたくさん発見していきたいと思うから。
ナイーブな私に勇気をください
いいところを見て···を読んで
そうですね。
辛く思っても、楽しく思っても、同じ時間しか生きれない。だとしたら楽しく生きたいものです。
このフレーズは、最近良く使う機会がありました。そう言えば感想コメントでも、似たような表現したと思います。
納言さんの仰るとおり、
『いいところを見ていこうよ』
ですね。
ありがとうございます。
追記 直ってよかったです。一瞬焦りました。
TKさん!いつも読んでくださり、ありがとうございます。
悪口を直接言われている時はもちろん辛いですが、陰で(誰かの)悪口を言っている姿を見たり聞いたりするのも本当に辛いです。
同じ1日を過ごすなら、やっぱり互いに気持ちよく過ごしたいですよね。
このエッセイを読んでいただいた中で、改めて『いいところを見ていこうよ』と思ってもらえたことがまた一つ嬉しいなぁって、また一つ1日の嬉しいことができました!
追伸 ブログが復旧して本当に良かったです。ご迷惑おかけしました( ; ; )