ノートに印をつけて

オリエンタル納言日常日記

百均で買ったおにぎりのマークがついたノート。

そのノートにワタシは毎日印をつけています。

あまりいい印ではないけれど、数年前から頭痛と闘っているから、どれくらい薬を飲んでどれだけの量を摂取しているかを見るためにつけているのです。

それまでにワタシはノートなんてまったくつけたことはなかったし、どれだけ摂取しているかもあまり把握していませんでした。

だから、なんとなく「これくらい飲んでるだろう」そんな曖昧な感じで少しずつ少しずつ薬に頼る生活が当たり前になってしまったのです。

面倒だけれど

仕事を辞める少し前に、ワタシは鎮痛剤に詳しい先生がいる心療内科に通うことになりました。

頭痛外来に行っても、別の心療内科に行っても、この痛みが消えることはなく、ただただ薬を飲み続けて、痛みと闘って、そして何一つやる気が起きない状態で毎日を過ごすことに精一杯になっていた頃に出会った先生でした。

簡単なカルテを書いて、いつから症状が始まったのか、どれくらいの頻度で起きているのか、そんなようなことを書いた覚えがあります。

もう数年も前から痛みを感じていたけれど、何をしても意味がなかったから、どこかで諦めていたのかもしれません。

「頭痛外来に行って薬をもらって、漢方も飲んだ。時には鍼治療に専念したり、心療内科にも通ったけど、何も成果もなかったし、痛みが消えることもなかった。だからきっと、今度も治ることはないだろうなぁ・・・」そう思いながら、カルテの質問に対して面倒だと思いつつ書き進めていたのです。

飽き性な性格だから

初めて会った先生はとても物腰が柔らかく、毎日の薬の量を聞いて、悲しんだり、時には共感してもくれました。

そしてワタシのカルテを見ながら、「こんなに薬を飲んでいたら、食欲も落ちるよなぁ・・・。辛いよなぁ。先生も薬に頼った時があるから、わかる。でもなぁ、辛いよな。でもなぁ、薬は減らしていきたいよなぁ」そんな独り言のような独特の寄り添い方をしながら、ワタシのカルテを何度も何度も見つめて、ある提案をしたのです。

「薬に頼ってしまうのは、仕方がないと思うんや。でもなぁ、少しずつ減らしてはいこうなぁ。だから、ちょっと大変だけどノートをつけてくれるか?どれだけ飲んだかを知るためにも、自分でもわかるようにした方がいいと思うから」と。

その時の気持ち的には、(わぁ、ノートかぁ・・・飽き性だからな。続くかなぁ)そんなことを考えながら、ここで「嫌です!」とも言えずに、「わかりました」と返事をしてしまったのです。

そしてそこから、毎日どれだけ薬を飲んでいるのかを確認する作業が始まったのです。

とりあえず、ノートでも買ってみるか

ワタシは基本何をするにも形から入るタイプなので、家にある使い古された何を書いていたかも分からないノートに書くのは、どうしても気分が乗りませんでした。

かと言って高いノートを薬のために買う気にもなれず、ふらっと立ち寄った百均で目についたおにぎりのマークがついたノートを買うことにしました。

これならいつ飽きても、それほど心が苦しくなることもないだろう・・・そんな安易な考えを抱きながらレジへと向かったのです。

他の物と一緒にノートもひっそりと加えられて、ノート自身も「多分続くか分からないけど、とりあえず、僕で書いてみてよ」と控えめなコメントでもしそうな感じで、袋の中で待っているように見えたのです。

毎日つけてみるけど

ノートを買ったのは9月の終わりがけの時だったのですが、ノートの始まりは10月だったので、気持ち的にはやる気があまり起きませんでした。

「つけてみてね」と言われたけれど、毎日飲んでいるから毎日つけなければいけないことも正直とても面倒だと思ってしまうくらい、この作業は全然前向きにはなれませんでした。

けれども先生に言われた手前、やらなかったらそれはそれで気が引けるので、仕方なく9月の間は今まで使っていたスケジュール帳に書くことにしました。

一日どれくらいの量を飲んで、どんな薬を飲んだのかを確認する作業がこの日からスタートしたのです。

ようやく真のスタートだ!

9月はほぼ気合いで毎日のように書き記していましたが、10月は新しいノートになり、気持ち的にも前向きな感じでページをめくって、その日の薬の量を書いていました。

百均とは思えないほど書きやすく、ペンの滑りも心地良かったこともあり、意外と書く作業に楽しさを感じていました。

そこからは、毎日、毎日、永遠にも感じられるような作業を繰り返し根気強くやるようになりました。

ノートをつけてみると、今まではなんとなく量を覚えていただけでしたが、毎日どのくらい飲んで、どのくらいの頻度で薬がなくなっているのかがわかるようになりました。

血祭りが近い時には量が増えたり、気持ちが不安定になりやすい時期にも薬の量が増えていました。

けれども楽しいことや嬉しいこと、いつもよりも食事の量が増えた時には薬は少しだけ減っているのも分かったのです。

「もしかして、ノートをつけるってこう言うことだったのか!」と、まるで新たな発見をしたみたいに、なんだか嬉しい気持ちになったのです。

これからもノートに印をつけて

今もまだ、毎日ノートに印をつける作業は続いています。

そして少しずつではあるけど、昔みたいにかなりの量を服用することは減ってきているような気がします。

ただ毎日飲んでしまうのは、長年の癖みたいに不安を薬で抑えるみたいに痛みを感じそうになったら飲んでしまうのは変わってはいません。

いつの日か頭痛薬を手放して、一人前の食事を食べて、当たり前の健康と元気を取り戻したいと思っています。

きっとその道のりはかなり長く、そして何年もかけてやっていかなければならないことでしょう。

けれどもいつの日か、薬のことも気にせず生きることを目標に、今日もワタシはおにぎりのマークがついたノートに印をつけていくのです。

ナイーブな私に勇気をください

  1. TK1979 より:

    ノートに印をつけてを読んで

     納言さん、大変辛い話ですね。私も頭痛で鎮痛剤を服用した時期がありますが、現在は服用していません。
     私は医者でもカウンセラーでもありません、少し気になることがあったので、頭痛について調べてみました。当然、納言さんも幾度となく調べられていると思います。
     喫煙と頭痛の関係は医学的に解明されていませんが、喫煙習慣があると片頭痛を引き起こしやすい傾向にあります。これは、タバコに含まれるニコチンに強い血管収縮作用があるためです。
     喫煙の煙が、刺激して頭痛の発作が起こったり、症状がひどくなるケースもあります。
     どうでしょう、ノートに喫煙した時も、印をつけて見られてはいかがでしょうか。なにかが見えるかもしれません。
     今一度、私は医者でもカウンセラーでもありませんが、納言さんのエッセイを読んで、少し気になったので、喫煙と頭痛につて、検索した結果をコメントしました。また、喫煙されている方を否定するものでもありません。
     ありがとうございます。
     

    • いつも読んでくださり、ありがとうございます。
      なかなか良くならない現状に悩みながら、おにぎりのノートに印をつけております。笑
      確かにTKさんのおっしゃる通り喫煙した本数なども書いていけると、もしかすると目で見てわかるのかもしれません!!
      これからどんどん寒くなっていくので、頭痛も本格的になる前に、しっかりノートをつけながら自分と向き合って行こうと思います。

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