納言、パワーストーンを買わされるの巻 中編

オリエンタル納言日常日記

前編では、いよいよダウジングをされるところまでお伝えをしました。

さて、 THEお金持ちの家で始まる奇妙なダウジングの嵐。納言たちは無事にストーンを買うことできるのか?

はたまた、とんでもなく不思議かつ恐ろしい体験へと巻き込まれていくのか・・・。

それでは、スタートです。

大きなダイニングテーブルで

「気になるブレスレットを選ぶことはできたの?」

「あっ。はい・・・。一応、これだけ選んだんですけど・・・」

「OKよ!なら私の目の前の椅子に座って。あなたがこの場所に導かれたように、石とあなた、そして私の直感力が働いたものをダウジングで選ぶから。さぁさぁ、手に取ったストーンを机の上に並べて」

「わ、わかりました」

女性に言われたまま、選んだ10個のストーンを机の上に並べました。選んだ石の理由としては、どれも高すぎて手が出なかったために、なんとか手が出せそうなものだけを選んだので、正直「これなら絶対に買いたい!」というよりも、「せめて、買うならこれかな・・・」の基準で選びました。

「緊張してる?大丈夫よ。あなたの体にまとわりついている邪気は、石が必ず浄化してくれるから。ここの石たちはとても高価に思えるでしょ?」

「あ、はい・・・」

「でもね、そこらへんのお店で売ってる数千円の石じゃなにも効果は得られない。本物の石を身につけてこそ、本来の力を発揮するの。支払いなら心配しないで。カード払いもできるし、なんならローンみたいな感じで回数も20回払いとかする人もいるから」

(20回払い!?一体、いくら使ったらそんな回数になるんだ・・・)そうなんですね」

「それじゃあ、始めるわよ」

意思を持ったダウジング

女性は水晶の塊を机の上に並べて、ペンデュラム(振り子のことで、チェーンや紐の先に石などの重りをつけた道具のこと)を持ち、揺らし始めました。

まさに振り子のように前に出しては自らの手で止めて、また前に揺らして止めるを数回繰り返したのです。

しかし、女性が思い描いていた動きにはならなかったようで、揺らしていた手をピタッと止めてワタシの顔を見ながら「あなた・・・相当強いわね。これは、相当すごいわよ・・・。うん。これは、やっぱりね。ちょっとこれ握って。あとこれ、身につけて」

そう言って渡された二つ漆黒の石を手に握らされて、¥98,000もする謎のネックレスを首にかけられました。そしてもう一度ペンデュラムを使い始めましたが、結果は同じく前後するだけでした。

「やっぱりおかしいわね。あなたが目の前にいるとどうしても回らないの。これは普通、前後ではなく、回るんだけどね・・・。ちょっと旦那さん。今度はあなたがここに座ってブレスレットに手を当ててみて。あなたとお友だちは少し席を外してくれる?」

「わかりました」

ペンデュラム地獄、開催

殿とワタシが部屋から出て、ドア越しに会話が聞こえてきたと思ったら、女性の「やっぱりあなたは、大丈夫なのよ」でした。

すると次は、「お友だちも一緒に入ってきて。あなたは外で待っていてね」と言われ、殿と彼だけが部屋の中に通されたのです。

リビングは快適な温度に保たれていましたが、待たされている玄関あたりは日光が降り注ぎ、灼熱とまでは言わないけれどかなり暑く、じわっと汗をかくほどの温度にはなっていたと思います。

2人が部屋に入ってしまったので、玄関付近にも置いてある石の数々を眺めていました。もちろんその全てが、ワタシでは到底手を出させないほどの金額でした。

(一生に一度あるかないかくらいの膨大な高価な石の数だなぁ・・・。立ってるだけでも気が引けるよ・・・)そんなことを考えていたら、ようやく「今度はあなただけ入ってきて。2人は外で待っていてくれる?」と指示が入ったのです。

一方その頃、殿とましゅぴは

ワタシが部屋に通され、殿と彼は玄関付近でワタシの様子をうかがいながら待っていたそうです。

「ねぇ、あの人の持ってた石みたいなやつの動き、見た?」

「あぁ、ゆらゆらしてたやつだよね?」

「あれさ、納言ちゃんの時は全く動かしてなかったけど、僕の時はブンブン回してたんだけど・・・。笑」

「それ私も思った!あれって自分のサジ加減だよね。絶対に普通にやれば回るよね。私たちの時はかなりの勢いでぶん回してたもん」

「あの人は口が上手いだけで、高額な石を売ろうとしてると思う。納言ちゃんだけパワーストーンしてるから、きっと目をつけられたんだと思う。これは早々に切り上げて帰ったほうがいいと思うんだけど」

「わかった!」

そんな話が玄関で繰り広げられているとは知らず、一方その頃のワタシはというと、やっぱりペンデュラムは前後するだけだったし、「あの2人の時は回ったんだけど、どうしてだかあなたの時は回らないの。本当に、すごいわ・・・」とひたすら追い打ちをかけるようなことを言われていたのです。

加速する怪しさ

その後も、ワタシだけだったり今度は彼だけ呼ばれたり、彼と友人だけ呼ばれたりと交互に呼ばれることが続きました。

たまたま殿と2人で待っている間、殿は「納言はあの人のところでパワーストーン買いたいって思う?」

「うーん。元々欲しかったしね。でも、値段も値段だしさ。ここで買ったらネタにはなるし、本当に『これがいい!』ってやつがあれば、買ってもいいかなとは思っているけど。怪しい感じもあるしなぁ・・・」

「そうだよね。元々納言にブレスレットをプレゼントするつもりだったから、もしもここでいいやつがあれば全額は無理でも半額だけでも協力するよ。ましゅうは『やめといたほうがいい』って言ってたけど、決めるのは納言だから」

「殿・・・ありがとう」

お祓いに行く前、私たちはブレスレットを探しに行く約束もしていました。あまりにも不幸続きだったワタシに殿は「一緒に選んだブレスレットをプレゼントしたい」と言ってくれていたのです。

殿の優しさを改めて感じ、友情が玄関前で再度芽生えたところで、女性から「2人とも、部屋に入ってきていいわよ」と言われました。

しかし、この3人同時に入ったことで少しずつ女性の思惑が溢れ出てしまうことになるのです。

次回予告

いかがだったでしょうか。

前編、中編とかなりの超大作になってしまいましたが、後編で女性の思惑が明らかになっていきます。

ぜひここまで読んでくださった読者の皆様、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

次回、『納言、パワーストーンを買わされかけるの巻 後編』お楽しみに!

納言はパワーストーンを買うことに決めるのか、はたまた買わないという選択を取るのか。その真相は、そして女性の思惑は、後半でいよいよ明らかになる!

ナイーブな私に勇気をください

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