リクエスト企画「生きること」

今回のリクエスト企画のテーマは、「生きることについて」です。

今の時代お金や仕事、マイノリティや将来に対する不安など様々な場面で生きることに不安を感じることが多くあります。

そんなテーマをワタシなりに、書いていこうと思います。

それでは、スタートです。

言葉の呪縛に縛られて

ほんの少し前までのワタシは、きっと自分自身の人生を生きていなかったでしょう。

ワタシという入れ物に入れられて、誰かのことを考えながら動いている存在に過ぎませんでした。

なぜなら、いつも誰かのことが頭に浮かんで離れなかったからです。

常に顔色をうかがっている時は、周りのことを考えていました。

新しいことを始めた時には、世間のことを考えていました。

お金に困っている時には、通帳の中身のことを考えていました。

誰かがワタシにこう言ってくれました。「自分の人生なんだから、自分のために生きていんだよ」その言葉の本当の意味も、やり方もまるで分からなかったんです。

そして気がつけば呪いの言葉のように、「どうせワタシなんて・・・」そう呟くようになりました。

それが自分を守る方法でもあったんです。

臆病になり過ぎて

いつしかどんなことにも、恐怖を感じるようになりました。

「誰もあなたのことなんて見てないよ」とか「いい加減、前に進みなよ」そんな言葉を聞いたり見たりするたびに、余計に自信をなくして、進み方が分からなくなってしまったんです。

そして下を向き続けることに、心地良ささえ感じるようになってしまったんです。

本当はどこかで分かっていたんです。

そろそろ、変わらなきゃいけないことを。

けれども、どうしても勇気が出なかった。それが一番の弱さであることも知らずに。

不幸のどん底に落ちた時

マイナスな感情は、マイナスな出来事までも連れてくるようになりました。何をしても上手くいかず、自暴自棄になるサイクルが出来上がっていました。

地の底に落ちた時、ようやく気がついたんです。「このままでは、誰のために生きているのかが、本当に分からなくなるんじゃないか」って。

「もうそろそろ、自分のために生きてもいいんじゃないか」って。

そうして少しずつ、地面を見ることから空を眺めることを選びました。

小さな変化に耳を傾けて、時には全身で風を感じるように両手を広げて、大きく深呼吸をするようになりました。

体にまとわりついた黒い影のようなものを、持っていってもらえるように。

1人の力ではどうしようもない時がありました。

そんな時は、周りに「助けてほしい」「力を貸してほしい」「ワタシに言葉をかけてほしい」そう頼るようになりました。

どれだけ感情の起伏が激しくなりそうになっても、誰かが近くにいることを感じられるだけで、気持ちはだいぶ穏やかに、そして前を向けるようになったのです。

正しさを選ぶこと

生きることはとても難しいことでした。その反対に、とてもシンプルなものでもありました。

いつしか自分自身が難しくとらえるようになり、どんなことでも素直に受け取れなくなっていったのです。

毎日テレビやネットで目にする不穏な言葉たちに耳を傾けることは、やめました。

少しでも心が乱される相手に、無理に会うことも、時間を使うことも、やめました。

どれだけ考え尽くしていても、相手はそれほど考えていないことにようやく気づいたから。

だからワタシは、自分の人生に必要のないことも、人も、そばに置かないことを選びました。

そうして今まで使っていた動力を、大切なことや人に使うと決めたんです。

心の声を無視しないで

30歳を目前にようやく、大切なことに気づけたような気がします。

それでも時折、黒い影は静かに忍びより、心もろともさらっていこうとするんです。

そんな時は意地を張らず、助けを求めることをたった一つだけ決めました。

生きることはとても難しいことです。

知らなくていいことも、気にしなくても良かったことも、この世界の中で生きている限り目にすることが多すぎるから。

けれども本当に信じられるのは、自分の心と、そしてそばにいてくれる大切な人たちなんだと思います。

一生懸命頑張ることは悪いことじゃない。

何かを我慢することも、生きていく上でとても必要なことだと思います。

けれども、本当にその我慢は自分のためのものなんだろうか。

自分のためのものではなく、全く別の人のために無意味な我慢をしているのではないか。

そう問いかけるように、決めました。

自分の人生だから、誰よりも自分が幸せでなければならないと思うんです。

自分の人生だから、誰よりも自分に優しくしなければいけないと思うんです。

そうやって自分を愛し、穏やかな心でいることで、ようやく周りの人にも同じように優しくできるような気がするから。

ワタシはようやくそのことに気づきました。

生きることは、自分自身を愛することだと。

そして生きることは、自分を愛した上で、相手を思いやる気持ちを贈り続けることなんだと。