SNSを活用するようになり、様々な繋がりが増えていくようになりました。
今までは絶対に関わらなかった人たちと会ってみたり、自分から行動を起こしてみたり、過去の姿からは想像もできないほど前向きになっていく、そんな気持ちを少しずつ感じるようになっていました。
数ヶ月前までの私といえば、家に籠りきって一歩も外に出ず、一日中家の中をぼんやり見つめていたり、外を眺めてみたり、時には体が思うように動かずにベッドで横になることが精一杯だった日もありました。
社会のお荷物だと自分に言い聞かせて、「あなたは必要のない人間なんだよ」と言われているような気がして、生きていることが辛くて仕方がありませんでした。
明日のことも分からないのに、先行きの見えない未来なんてもっと分からない。
だから言い訳をするように「私はもう何もする必要もないし、何をしたって意味がないんだ」と心の中にある殻に閉じこもり続けていたのです。
しかしブログを始めるようになってから、少しずつ読んでくれる人がいて、感想をもらえるようになりました。
存在価値を認めてもらうことが、あの時の私には必要だったのかもしれません。
いつからか「少しずつでいいから、下ではなく目線を上げてみようかな。ちょっと遠くの景色を眺めてみようかな」と思えるようになっていきました。
それが私にとって大きな一歩となり、新たな人との繋がりを運んでくれたのでしょう。
同じエッセイを通じて
いつものようにSNSを眺めながら、色々な人の投稿を見ていました。そこにいたのが、今回の主役の“のぶやん”でした。
のぶやんさんは、私と同じエッセイというジャンルを通して発信している方でした。私のエッセイと大きく違うところは、のぶやんさんは自分の体験をエッセイ漫画として表現されていたのです。
エッセイを沢山書いている私ですが、実は本を読むことがあまり得意ではありません。しかし、ノンフィクション作品が大好きなので、漫画で描かれている人にはすごく興味があり、夢中で読み進めることができるのです。
早速のぶやんさんがどのような投稿をしているのかを、見てみることにしました。
1番印象的だったのは、息子さんとフィリピンのセブ島へ親子で留学に行った体験記の中で、洗面所に水が溜まり困ってしまったというお話です。
些細な日常の一コマを切り取りながら、日本ではまず経験することのない生活の中での困りごと、そして英語で伝えられない苦労なども描かれていました。
当事者であればきっと不安もあるし、海外という場所で多少のパニックも起こしそうなはずなのですが、のぶやんさんの絵には大人の余裕と堂々としている雰囲気、しかしそれと同時に内心の焦りも絶妙な具合で表現されていました。
「ねえ、この人のエッセイ漫画読んでみて!すごく素敵な絵なんだよね。しかも、トラブルにも動じない姿があるようで、内心パニックになっている感じも、また人間味が出ていて親近感が湧いてくるんだよ」と夫に話しました。
すると「これは、フィリピンあるあるだね(笑)。でもすごいよね!親子で留学なんて、中々体験できることじゃないしさ、その行動力って本当にすごい力だと思う!」
実は私の夫はフィリピンと日本のハーフで、小さい頃からフィリピンに帰国することも多くありました。だからこそ、より一層親近感が湧いたのかもしれません。
それからというもの、定期的にのぶやんさんのエッセイ漫画を拝読しながら密かに新しいものがアップされないかを、心待ちにしている自分がいました。
もう気持ちは、すっかり一人のファンとして、読者として待っていたのです(笑)。
初めてのイベントに参加して
ただのぶやんさんがどこに住んでいるかも分からないし、SNSだけの繋がりだったので、この先もぶやんさんと実際に会うことは、きっとないだろうと思っていました。
私は画面越しにいる、エッセイ漫画のファンであり読者です。そして、のぶやんさんにとっては、数百人いるうちの一人のフォロワーでしかない、そう思っていました。
しかし、のちに私は運命の初対面をすることになります。
それが2023年6月3日に行われた名古屋レインボープライド2023に参加したことがきっかけでした。
ブログを始めるようになってから、自分の性について考えるようになり、私自身も女性らしさを求められることに、違和感を感じていたことを友人や夫にカミングアウトしたばかりでした。
性別にとらわれず、私は私の生きたいように生きることを決め、LGBTQ +についても、より多くの人に知ってもらうためにエッセイを通して表現するようになっていきました。
そんな時に友人から「今度名古屋で、LGBTQのイベントがやるんだって。一緒に行こうよ。いい機会だしさ!同じ境遇の人たちと出会えるチャンスかもしれないよ」と誘ってくれたことがきっかけとなり、行くことを決意したのです。
残念ながら友人は、仕事のためほとんど参加することはできませんでしたが、私は夫と二人で様々なブースにを見たり、知らない人たちと交流を深めることができました。
もしも友人が誘ってくれなければ、のぶやんさんと直接お会いすることも出来なかったと思います。
「今日は色々な人たちと関われてよかったね。納言ちゃんも良い刺激になったんじゃない?」
「そうだね。本当に楽しかった!そういえば、フォロワーさんの”のぶやんさん“から『納言ちゃん見たよ!!』って連絡が来てたんだよ!このイベントに参加してたみたい!」
「ええ!?そうなの!?フィリピンに留学に行ってた人だよね?」
「そうなんだよ。まさか名古屋にいるなんて思わなかった!会いたかったなぁ。なんかね、蛍光の黄色のティシャツ着てたみたいなんだけど、パレードが終わった後に出迎えてくれた人の中にいたみたい」
「そうなの!?まだいるのかな?いたら会ってみたいよね!」
「うーん・・・。でもどこにいるか分からないからなぁ」
夫と話をしている間に、イベントも終盤に差しかかっていたので、のぶやんさんに会うことを断念して、帰ることにしました。
運命の初対面
どうしても諦めきれなかった私は、会場をキョロキョロしながら歩いていました。
すると「ねえ!あの人たちじゃない?傾向のTシャツ着てる人って」
「えっ!?そうかも。でものぶやんさんの顔わからないんだよな。何か分かるもの載せてたかな」
・・・
「あっ!ストーリーに顔が載ってる!!!!!」
その瞬間の私たちの目の色は、1日のどの瞬間よりも光輝いていました。夫はこっそり顔を覗かせて、必死に探してくれました。
「ねえ!多分あの人がのぶやんさんだよ!絶対にそう!僕が声をかけてくるよ」そう言って声をかけてくれました。
このおかげで無事にのぶやんさんと運命の初対面を遂げ、感動的なハグへと繋がったのです。
のぶやんさんの姿とは
SNS上でのやり取りの中では、やっぱり本当の姿というものを見ることは難しいこともありました。
冒頭でもお話しした通り、私はエッセイ漫画を楽しみにしている一人のファンでしかありませんでした。
しかし、初対面の時に話しながら涙を堪えている姿、そして溢れ出た感情を抑えきれずに流した純粋で真っ直ぐな涙をみた時、のぶやんさんの人柄に初めて触れられたような気がしました。
そして何より、一緒に参加されていた人たちも「のぶやん!本当によかったね」と、温かく優しい眼差しで見届けられている姿に、「この人は、色々な人に愛されている方なんだな」と感じました。
一度しか会ったことがなくても、滲み出る人柄と優しいオーラ、そして素晴らしい仲間に囲まれたのぶやんさんのことを、さらに大好きになりました。
もしも、友人がイベントに誘ってくれなかったら、私はこんな気持ちになることも、感動的な場面に遭遇することも出来なかったでしょう。
そして、のぶやんさんがDMで連絡を送っていなければ、そもそも会うこともなく私たちは「楽しかったね」という気持ちだけを抱き、家に帰っていたと思います。
このイベントでは、沢山の人に出会い、様々な思いを持った人がいることを痛感することができました。
けれどもイベントを通して1番感じたことは、SNSを通して出会った人と直接関わることで、画面上でしか分からなかったことを知ることができたこと。そして、何より人の心の温かさに触れることができたことが、1番の収穫だったと思います。
あの涙を見た時、嬉しさと感動で思わずハグをした時、忘れていた感情を取り戻すような気持ちになれたのかもしれません。
最後に
SNSでの出会いは、いいものばかりではありません。時には傷ついてしまうこともあれば、騙されてしまうことも時にはある。
それがSNSの怖さでもあります。
ただ、私とのぶやんさんのように、同じエッセイを書く同じ表現者として、互いをリスペクトし合い、そして認め合える関係になれることだってあるのです。
そしてのぶやんさんは、私を見た時「納言ちゃんは、写真で見た通り素敵な人だった」と言ってくれました。
きっと彼女の中では自然と出た言葉なにかもしれませんが、年齢が離れていても私という存在を受け入れ、一人の人間として尊重してくれた言葉に、彼女の心の広さを感じました。きっと、何事にも偏見を持たずに、手を取り合って生きていくことが、自然とできる方だからだと、私は思うのです。
彼女と出会い、話した数分間の出来事を、この先も忘れることはないでしょう。
最後に、のぶやんさんが言ってくれた言葉を綴り、終わりたいと思います。
納言ちゃんと旦那さんに出会えて本当によかったよ。
こんなに嬉しいことはないよ。ごめんね、泣いて・・・。
でもねとっても嬉しいの。こうしてLGBTQ +のイベントを通して会えることって、すごいことだよね。話しかけてくれて、見つけてくれて本当にありがとう。
とても素敵な思い出になりました。
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のぶやんさんのInstagramです!もしよければ覗いてみてください🥰
可愛らし絵と、日常の体験にクスッとしたり、ほっこりしたりできるような、読んでいると、つい顔が緩む素敵なエッセイ漫画です。
少しでも多くの人に知ってもらえますように。そして、新たな人との繋がりが増えることを心から願っています。
ナイーブな私に勇気をください
素敵な出会いに感謝です
私とのぶやんはWorldSkyのくまちゃんとの繋がりで仲良くさせて頂いてます(gospelでも一緒ですが話した事はなかったです)
納言さんともこれから仲良くさせて頂きたいです♫
のぶやん素敵に紹介ありがとう
読んでくださり、ありがとうございます!
私ものぶやんさんに出会って、こうして新たな繋がりができた事を、とても嬉しく思っています。
イベントを通じて、同じ考えや思いを持っている人たちと出会えたことに感謝でいっぱいです。
これからもぜひ、仲良くしてください☺️
読んでくださり、本当にありがとうございました。