第3回 手話日記

オリエンタル納言日常日記

手話講座も今回で3回目となり、少しずつ講座を受けている人の顔と名前が一致してきたような気がします。

しかし、ろう者である先生の伝えたいことが分からず、手話と先生の顔を見比べながら必死になって覚えています。

2回目の講座では、自己紹介を手話でやりながら、数や色、そしてコンビニの表し方などを学びました。

帰宅した後は、忘れないように手話を一通り披露して、「これがローソンだよ!あと、これがセブンイレブン。それからミニストップはね〜」とコンビニばかり伝えていると、「ねえ、なんで納言ちゃんの手話はコンビニばっかりなの?(笑)」と言われてしまいました。

しかし、その日からコンビニに行く時には手話で表現することが私たちの日常に取り入れられ、第3回まで覚えたことを忘れませんでした。

行きたくない症候群発令

手話講座の時間は早く、場所も家から遠いため、いつもなら寝ている時間に起きなければなりません。

携帯のアラームに叩き起こされて、イラッとしながら音を消してもう一度寝る。これを何度も繰り返していました。

寝ぼけながら「もう、今日は手話講座、お休みしようかな・・・」と言ってはみたものの、一度休んだら行かない癖がついてしまうと思い、仕方なく全く開かない目を無理矢理こじ開けて、ゆらゆら体を動かしながら準備を始めました。

横から「がんばれ〜、がんばれ〜。頑張って起きて〜」と気が抜けそうな夫の応援に返答することも忘れて、黙々と準備をして講座へと向かいました。

到着すると半分以上の人が集まっていて、世間話をしながら始まるのを待っていました。この中で最年少が私ということもあり、特に誰かと話をすることもなく、携帯を触りながら時間になるまで待っていました。

すると「いつもどこから来ているの?」と声をかけてくださり、そこから数人と話をすることになりました。ただの世間話だったけれど、とても嬉しい気持ちになりました。

復習に自信を持って

そうこうしていると、時間になり朝の挨拶から前回の復習へと入っていきました。

それぞれ手話で自分の苗字、今日着ている服装を伝えていく。聞かれるまではドキドキしているけれど、答えられた時はふぅ〜と安心したと同時に、嬉しい気持ちになりました。

(何度も家で練習した甲斐があったな)と思いながら、他の人たちの手話を見て自然と真似をする癖がつき始めていました。

第一回目の時は、初めての試みでできないことが恥ずかしくて、真似をすることも躊躇っていました。しかし、3回目ともなると、「覚えたい!」という気持ちが強くなり、そして伝わった時の喜びも味わったからこそ、学ぶ姿勢も変わり始めていたのかもしれません。

新しい手話を覚えて

第3回目は、家族の表し方を中心に学びました。

家族や配偶者、子どもや孫が一緒に住んでいるのか、どこで生まれたのかも学びました。

数字や色は簡単だったけれど、家族構成や出生の表し方はとても難しく、似ている動きもあったので、私以外の人たちも混乱していました。指の動きや場所が違うだけで、また別の意味合いになってしまうところも、手話の難しいところでした。

中でも、お父さんと夫の違いに苦戦している人も多く、先生に質問されても、夫と言いたいのにお父さんと答えている状況になっている人も私を含めて何人もいました。

言葉で伝える時にも、日本語のややこしさを感じることはあるけれど、声ではなく指と表情で伝える手話は、さらに難易度が高いような気がしました。

伝えたいけれど、声を出さないように指と表現力が試される。

ホワイトボードには「声はと書かれていたので、なんとか耐えようとしましたが、中々覚えられずに声を出してしまうことも度々ありました。

さらに、ほとんど形は同じだけど、出している指が親指か小指かで全く違う場所を示すことになるのも、大混乱の一つでした。

普段使っていない脳内をフル回転させて覚える作業は、全身を動かしていないはずなのに、どっと疲れてしまうのです。

2時間という時間は、長いように思えてあっという間に時が過ぎてしまいます。

その間にどれだけの手話を覚えられたのか、正直ほとんど覚えられていません。けれども、難しいからこそ、先生の言っていることが理解できた時、自分の言いたいことが手話で伝えられた時には、本当に嬉しくて「もっと頑張ろう」と思える瞬間でもあります。

手話では声ではなく、口の動きや表情、そして手の動きで伝えなければなりません。普段そこまで手先を使っていないから、数字を表すにもぎこちなくなってしまうし、似たような動きになっているときには、ついつい声を出して伝えてしまうという、ズルもしてしまいます。

しかし、始めた頃よりも一つ、二つと確実に覚えられたこと、そして直にろう者の方とコミュニケーションを取り合えることは、学ぶ上でも原動力となっています。

1番最初の頃は、自分の名前さえ伝えることができずに、先生の言っている意味も理解することが難しかったです。

しかし、「なんて言っているんだろう?」と真剣に手元を見ながら理解しようとすること、そして実際に自分でもやりながら身につけていこうとする意欲が、手話を覚える1番の近道なのかなと思いました。

第4回目にはどこまで上達できているか、そしてこの先もっと色々なことが覚えられると思うと、学ぶということに珍しくワクワクしています。

この行動がいつか、ろう者の子どもたちと話す一歩に繋がると信じて。

 

ナイーブな私に勇気をください

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