1人も友だちがいなかった学生時代

保育士時代の体験談・過去のトラウマ

いきなりですが、みなさんには心から信頼できる友だちはいますか?

私は小学生から高校生まで友だちと呼べる人は1人もいませんでした。

小学生の頃はずっといじめられていたので、友だちが何かも正直なところ分かっていませんでした。自分の中では話したいことも伝えたいこともある、けれども頭の中で常に「嫌われる可能性」というものが見え隠れしていました。

実際に女子グループの輪の中に入ろうと「何を話しているの?」と聞いたことが一度だけあります。

すると1人が「あなたは関係ないから、あっち行って」と言いました。

他の数名はクスクス笑い、私がしょんぼりと肩を落として去っていくのを嬉しそうに見ていました。目には見えない「カースト」というものが存在していることに、何となくだけど気づいた瞬間だったかもしれません。

容姿を変えてまで欲しかったもの

中学生になる前、近所の知り合いとブランコに乗りながら「中学校に入ったら友だちが欲しい」と決意表明なるものを言っていました。

そして、考えたのです。

どうしたら友だちができるのか、何をすれば周りは喜んでくれるのか。

出した結論は、容姿を醜くしてピエロ役に徹することでした。

お小遣いのほとんどを食べ物に使い、毎日たくさんのお菓子やケーキを買いました。夏はアイス、冬は両手に肉まんを食べることが日課となりました。

すると、どんどん変化していく姿を面白がった同級生に気に入られ、中学2年生の時に初めて仲間に入れてもらうことに成功したのです。

今まで孤立していた私に声をかけてくれて、グループに入れてくれた。

これほど嬉しいことはありませんでした。

しかし、太って醜くなった私の担当は、もちろんピエロ役であり、彼女たちが嫌がることを率先して行うことでもありました。

例えば、嫌いな男子が近づいてきたら、私を盾に使い、触れられた場所を私に触らせ、上書き保存をさせていく。嫌な係があれば、「あんたやってきて」と言われて「わかった」と疑問も不満も持たずに行っていました。

今思えば、完全にパシリとして使われていたんだと思います。

それでも、よかったのです。

独りぼっちよりはずっとマシだから。

側から見たら哀れな学生生活だったとしても、私にとっては充実した日々でした。

しかし、その生活はたった1年で幕を閉じるのです。

かけられた疑惑

はっきりとは覚えていないけれど、6名ほどいたグループに属していました。

そのうちの1人、Aちゃんには好きな人がいました。同じクラスの男子でよく話しているのも見かけていました。

グループでいる時、「実はわたし、S君が好きなんだよね」と教えてくれたのです。これはもう協力するしかないと、今まで以上にグループ内で結束を固めていきました。私も何か手伝えることはないかと、一員として考えることに必死だったと思います。

しかし、ある情報が流れました。

「S君のことを納言が好きだと言っている」と。

もちろん私は思ったこともなければ、自分が恋愛をする立場でもないことも分かっていました。ましてや、友だちが好きだという相手を好きになることなんて、想像すらしていませんでした。

しかし、噂はどんどん尾ヒレをつけていき、とうとうグループの子たちにも話がいってしまったのです。

グループの中でもリーダー的存在のBちゃんから、ある日呼び出しをされました。

「お前、ふざけんじゃねーぞ。ブス!!!調子乗んなよ!」と吐き捨てられたまま、どこかへ行ってしまいました。

私は呆然と立ち尽くすしかなく、彼女の後ろ姿がだんだん小さくなっていくのを見届けることしかできなかったのです。

その時はまだ、私がS君を好きだという噂が流れていることも知らなかったので、突然すぎる出来事にパニックに陥ってしまいました。

しかし、噂の内容を知った後すぐに、「私、S君好きじゃないよ!」とAちゃんにもBちゃんにもグループの子たちにも言いましたが、誰1人信じてくれる人はいませんでした。

こうして、期間限定となってしまった交友関係は、最悪のまま終わりを迎え、卒業するまで一度も話すこともありませんでした。

上辺だけのお付き合い

中学の頃にとても辛い経験をしたからなのか、私は極力人との距離を保ちながら、本音はしっかり心の中にしまい込んで、上辺だけの関係を築いていきました。

仲が深まることが怖かったのかもしれません。

いつか、目の前からいなくなってしまうことが怖かったのかもしれません。

そんな交友関係を作ってきたから、結局、心の底から友だちと呼べる人はいないまま、学生生活は過ぎていきました。

しかし、短大生になった時、私は運命の出会いを果たします。

ここには書ききれないほどの濃さなので、また別の機会に深掘りをしていこうと思っていますが、短大に入学し卒業するまでの2年間は、味わったことのない幸福感でいっぱいでした。

時にはぶつかることもあったけれど、互いに信頼し合い、大切に想える関係になれたのは、短大に入って初めてだったのです。

そして今でも、短大からの友人たちとは交友関係を続けています。

多くの知り合いよりもたった数人の友

昔は友だちが多い人が羨ましくて仕方がありませんでした。誰かと気持ちを共有したり、悩みを打ち明けたり、そんな学生生活を送ってみたかったです。

しかし大人になってみると、環境が変わり友人たちとも会えることも少なくなってきています。家庭を持ち、子育てをしたり、仕事を頑張ったりと、それぞれの人生の歩み方はまるで違います。

けれども本当の友だちとは、どれだけ期間が空いたとしても、離れていたとしても、会った瞬間、等身大の自分に戻れる人たちだと実感しています。

色々な人と出会い関わってきましたが、心から信頼できる人は一握りです。ぶつかることもあるけれど、それでも本音で話せる人がいることは、とても幸運だと思っています。

私が夢を追いかけるきっかけになったのも、友人たちが背中を押してくれたからでした。

「絶対に無理だよ」「諦めなよ」なんて言葉は一切言わず、「やってみなよ!」「面白いことになるんじゃない?」と今も励まし続けてくれています。

仕事もしないでアラサーになってから夢を追いかけることは、もしかしたら非現実的なことなのかもしれません。けれども、彼女たちが応援してくれる限り、やり続けてみようと思います。

それが私なりの恩返しになるはずだから。

みなさんには、心から信頼できる友だちはいますか?

大人になった今でも、子どもの頃のように戻れる相手はいますか?

友だちという存在は、どれだけお金を積んだとしても手に入れられない存在だから、どうか大切にしてください。

 

ナイーブな私に勇気をください

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