幼い頃、私には友だちと呼べる人は1人もいませんでした。
同級生たちがドラマや流行りの曲で盛り上がり、ガラケーにお気に入りの曲を設定していた時も、仲間に入ることができずに自分の席に座って、その様子を見ている事しかできませんでした。
そもそも趣味が合わなかったので、私が好きだったものについて話すことすら間違いだと思っていました。好きなことを語り合えるのは、私みたいな人ではなく、クラスの中心的な人たちだと思っていました。
昔からマイナス思考だった私は、いつも悪い方悪い方へ考えてしまう癖があり、気づかないうちに、同級生たちとも距離が離れてしまっていたのかもしれません。
2人のアーティストとの出会い
しかしそんな私にも、中学生からずっと好きだったアーティストが2人いました。
それが、“Whitney Houston”と“Queen”です。
彼らの曲を初めて聴いた時、感動と共に全身から鳥肌がたちました。繊細でパワフルで、どこか寂しげな声を聴くたびに、自分と重ねてしまう部分もありました。英語が全く分からなかったけれど、言葉じゃない「何か」がそこには存在していたと思います。
悲しい時や寂しい時にいつも聴いていました。
嬉しい時や踊りたくなる日も聴いていました。
彼らの歌声は、私の気持ちごと抱きしめるようにして語りかけてくれていました。
友だちがいなくても、音楽が私の友だちでした。
好きだとは決して言えなかったけれど、いつかきっと分かり合える人に出会えると信じていました。だから、どれだけ流行から遠かったとしても、好きでいつづけていたんだと思います。
青春時代の心の支えと思い出
私は、音楽以外でも心の支えになるものと度々出会ってきました。
それは決まって、私自身が何かしらのSOSを出しているときだったと思います。
大人になった今も好きな気持ちは変わらず、私にとって大切な青春の思い出として残り続けているのかもしれません。
好きでいることを隠さない、今
当時は、古い曲を好きだと言うことが「調子に乗っている」に繋がってしまう環境にいました。本当は、何を好きになったって個人の自由なはずなのに、隠すことが正しいと思っていました。
ただ、今の時代は簡単に昔の音楽や映画に触れる機会があって、昔なんかよりも好きだと言える幅が広がったような気がします。
もしも、今の時代に学生時代を過ごしていたら、私は胸を張って言えたかもしれません。
好きなことを、好きなものを隠すこともなかったでしょう。
皆さんには、好きなものはありますか？
大切にしている思い出や、青春を感じられるものはありますか？
大人になった私は、これから自分が大切にしてきたものを伝えていこうと思っています。
青春時代を取り戻したいから。
そして心の底から「私はこれが好きなんだ」と言い続けていけるように。
ナイーブな私に勇気をください